TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

日記

好みが赤方偏移している

幼少期は緑が好きだった。大学生の頃は黄色が好きだった。今は青系の服と、赤系のアイテムが好きだ。アイコンのダルマも赤だ。ペンは白が好きだが、ペン立ては赤色だ。スマホは黒だけど、壁紙の差し色は赤だ。ついでにソ連の国旗の赤も好きだ。だがトマトは…

1億円で会社を殴ってから辞めた話

今年、会社を辞めるついでに未払いの残業代を請求した。 退職の意向を上司に告げると同時に、過去のタイムカードのコピー、支社全員の残業時間のデータ、労働基準法の抜粋。これらの資料をプレゼン用のファイルに綴じて上司に手渡した。請求できる期間は2年…

祇園祭に動員されたけど祭りどころではない

連日の猛暑の一端は京都にもあるようで、毎日救急車が熱中症患者を搬送している。そして今年は事情があってその猛暑日のど真ん中で祇園祭のボランティアをしている。ボランティアというよりはむしろ動員や招集といったほうが正しいかもしれない。とにかくこ…

このとき点Pは動かないものとする

これまでずっと、一人で喫茶店に長時間滞在するということがどうも苦手だった。食事が済めばさっさと次の目的地なり用事に取り掛かればいいのに、みんなわざわざ珈琲一杯でその場に居続けているのか。僕には彼らの思考がまるで理解できなかった。しかしこの…

昔思い描いた未来は、今よりもう少しロマンチックだった

携帯のヘッドセットがすっかり無線化されてしまったおかげで、独り言かと思ったら電話でした、みたいな人をしょっちゅう見かけるようになった。路上で見かけるだけでも少しドキッとするのに、先日やよい軒で電話しながら夕飯を食べている人がいて、その話し…

27歳が無職とニートから脱却するまでの2ヶ月の暮らしについて

昨年12月からの転職活動、1月上旬の休職もようやく終了する目処が立ちました。2月が終わる頃には就職先が確定し、退職願を提出していることでしょう。週休6日の暮らしは予想以上に辛いものです。そして大変寂しいものです。 まず時間を把握する必要がな…

ふるさとは 遠きにありて 思ふもの

室生犀星がこの詩を書いたのは、東京に行ったもののイマイチ馴染めずときどき金沢に戻ったりしていた時期であるという。そのときのメンタルでこれを書いたということはつまり「遠く離れると故郷のこと考えちゃって辛いわー」ではなく「故郷のことは遠く離れ…

出張とアイスクリームと書くこと

出張帰りの道中、僕はかならずアイスクリームを食べる。疲労回復には糖分が不可欠だし、移動中に仕事をするためには、尚の事糖分は補給して於かなければいけない。出張だからといってその土地の食べ物がどうとか地酒がなんだとか考えず、自分の仕事をするた…

私の強みは自撮力です

マズローの欲求階層説の頂点は自己実現で、確かその下に自己承認があったはずだ。しかしマズローの名前よりも自己承認の存在を知る方が早い世の中になった。 梅田・中崎町の喫茶店。目の前の2人の女性は席につくなりお互いが片方の手にドリンクを、もう片方…

ぜいたくはすてきだ

ぜいたくはすてきだ。普段やらないようなことをやると、浮ついた心の分だけ気持ちが軽くなる。 特急列車のシートをめいっぱいまで倒す。これはぜいたくだ。ふんぞり返った自分の姿は恥ずかしいような、しかしシートに横たわる自分が旅慣れているような、その…

京都タワーはいつも調子に乗っている

つくづく京都という街は気に入らない。京都に暮らし始めてこの春で4。道は狭いし、バスとタクシーの運転は荒いし、年寄りどもは「いけず」の見本市みたいだ。出張から帰ってきて京都駅を出るといつもドヤ顔で立っている京都タワー、こいつを見るたびに心の…

台所に立つとクラフト

腹が減ったと台所に立ったものの、冷蔵庫には漬物とヨーグルトしかなく、冷凍庫には冷凍ご飯とウォッカしかない。レトルト食品はカレーとハヤシライスが20個近くあるが流石に食べ飽きた。食に無頓着なくせにこういうタイミングで決まって「普段食べてない…

積読は罪と毒の言葉遊び

本の値段をあまり気にせずに買えるようになったのは、大人になって良かったと思うことの一つで、読む時間こそあまりないのに、だからこそ一冊の本が楽しくてしょうがない。 結構前からコンビニの商品は値段を見ずに買えるようになっていたけど、酒に寄った状…

夜遊びを覚えて、本当に猫は夜に会議をしていると知った。

夜遊びを覚えて、本当に猫は夜に会議をしていると知った。 三条通商店街の真ん中にある公園には、深夜10匹ほどの猫が集まる。何度かその光景を目にして気づいたのだが、どうやら猫にも上下関係があるようで、大人の猫はベンチに座っているが、子猫が登ろう…

村上春樹は焼きそばに例えることができる

僕は村上春樹について書くときに、焼きそば−中華麺と具材をウスターソース(または塩)で炒めた麺料理−こそが、村上春樹作品に対する最適な比喩だと思っている。焼きそばが食べ物であることは、誰もが知っていることだし、もし初めて焼きそばを見る人がいた…

新幹線のテーブルがちょっと遠い

新幹線でパソコンを触っているとすぐに疲れてしまう。新幹線のテーブルは普段のデスクと違って低いし遠い。肘掛けがあるのは良いことだけれど、でも結局膝の上にパソコンを置いて作業することになるのでどのみち意味は無い。 18きっぷで在来線に乗るしかな…

アガペーとしてのビジネスホテルとリクルートカードとじゃらん

ビジネスホテルは非日常の最高峰だ。広いベッド、綺麗なシーツ、華美ではないが必要十分なアメニティ、その土地の知らない飲み屋、ホテルの朝食バイキング。サラリーマンとしてビジネスホテルを使うときは、仕事の延長でありながら与えられる至れり尽くせり…

気圧が低いと意志が弱る

低気圧だと頭が痛くなる。雨は好きだけど気圧の低下は嫌いだから、生来の天邪鬼は体調にまで影響するようになってしまったのかと心底うんざりする。 新海誠の作品には雨のシーンがよく登場する。雨が窓ガラスを伝って流れ落ちていく様子はとても綺麗だ。それ…

寝る前にコーヒーを飲むと緊張してしまう

コーヒーを飲む文化がないので、我が家にはインスタントコーヒーはおろかマグカップすらない。自販機ではコーラ選ぶし、喫茶店ではホットココアを注文する。紅茶は飲み物の選択肢がない場合にやむを得ず飲む。 先週、酒を飲んだ帰りのコンビニで翌日の朝食や…

引きこもる準備はできている

ツタヤの宅配レンタルに登録したので、映画が借り放題になった。観たい映画をリストに入れておくと、リストの上の方から順番に映画が2本自宅に届き、それを返すとまた2本送られてくる。月々定額だし貧乏性だから、映画が届くと一度に2本とも観ようと思っ…

休暇に関する24通りの読み方

以下の文章は4つの段落に分かれていますが、どの順番で読んでも正解です。24通りの読み方をお楽しみください。 バネはかかる負荷への反発力で跳ね上がる。労働が負荷で、休暇が反発力であれば、日々の労働がいかに過酷であろうと、その分休暇は素晴らしい…

オタク高校生のフリーメイソンこと図書委員会

高校3年生になるまで学校の図書室というものを使ったことがなかった。高校生だったころの放課後は、さっさと家に帰るか、時折写真部の暗室に篭って酢酸の匂いの中でモノクロフィルムを現像するしかやることがなかった。 しかし高校3年生になれば大学受験が…

暮らしが根ざしていくまえに

3年前、京都に引っ越してきた時は、「この街には僕を知る人は誰も居ないのだ」という事実が心をくすぐった。旅先で曲がり角の先を空想しながら街を歩く楽しさが毎日のように続いていた。知らない場所、知らない店、知らない人、知らない味。好奇心と体力に…

引っ越しは軍手より作業用ゴム手袋のほうが捗るぞ

今年で3回目の引っ越しをした。正月に引いたおみくじを見たら、「転居は暫く待ったほうが良い」と書かれていた。やっちゃったものはしょうがないけど、暫くってどれぐらいのことを言うんだろう。年に3回も引っ越したら暫くもなにもないだろうけど。 新しい…

福知山くん、ギャルゲーの舞台になりなよ

京都府北部に位置する福知山市。京都からも大阪からも車で約2時間弱。福知山線脱線事故やら、福知山花火大会爆発事故やら、毎年のように発生する水害やら、何かと憂き目に遭う福知山で僕は幼少期を過ごしていた。福知山を離れてからも、仕事で何度も福知山…