TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

園田と同じ地方競馬とは思えないぐらい快適で綺麗で差し馬が決まる大井競馬

<前回のはなし>

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夏、超てんちゃんの展示とMIKAPIKAZOの個展を見に東京へ行った。そのついでにデイリーポータルZの記事を参考に旨いチャーハンを食べ歩き、当然のように地方競馬の一つである大井競馬場に行くことにした。


MIKAPIKAZOは元気な色使いが良い

超てんちゃんはガチでいた。

見るべきものは初手でガッツリ見たので、残りは大井競馬である。競馬場を訪れる前日に立ち寄った後楽園の場外馬券売り場もそこそこ荒んでいたので「馬狂いなんて東京も大阪も変わんねえや」と思っていた。


競馬を見てるようで見てないこの感じ。”果て”って感じがする。

あらかじめ大井競馬のYoutubeは見ていたので「東京シティ競馬」を自称するCMに「『東京』を『トーキョー』にして右上がり手書き文字にしたらさぞオシャレでしょうなあ!」と野次ったり、全レースゲスト付きの中継やファンファーレを生演奏する豪華さにビビったりしていたが、結局のところ大井競馬だって地方競馬の一つに過ぎないだろうと思っていた。が、これはとんでもない間違いだった。大井競馬場中央競馬を超えるくらいキラキラしていた。

まず最寄り駅までの車内に競馬新聞を広げるオッサンがいない。おかげで降りる駅が分からずモノレールを乗り過ごしてしまった。そして場内に入るとナイター開催なのにどこも明るく、建物も飲食店も全て綺麗で、ガタガタのパイプ椅子やビールケースとコンパネで作る即席テーブルは一つもない。

スタンド席のある建物は2棟もあり、どちらにもエスカレーターとwifiが備わっている。なんと豪華な競馬場だろう。園田にはエスカレーターなんてないぞ。こんなのリニューアルしたての京都競馬場と同じじゃないか。

この週は重賞のサンタアニタトロフィーが開催されるのにあわせてアメリカ料理のキッチンカーやハーレーダビッドソンのブースも出店していて、おまけに武豊デムーロトークショーまでやっていた。平日開催とは思えないくらい、むしろ平場の中央競馬より賑わっていた。園田競馬と同じところはマークカードの書式と上空に飛行機が飛んでいることぐらいだった。

コースも近くてレースが見やすい。このとき見たオペラの差しが最高にかっこよかった。

そして建物から出ずにパドックまで見られる。人を駄目にするレベルの快適さである。

肝心の馬券は何一つ当たらなかったので、途中からはベンチでビールを飲みながらダラダラ過ごしていた。罵声が聞こえない競馬場はなんと過ごしやすいことだろう。時間が遅くなるにつれて仕事帰りの人たちが増えていくので、中央競馬や園田とは少し客層が違うような気がした。もしかするとレジャーとしての競馬というイメージが大井にはあるのかもしれない。そしてここはギャンカスの掃き溜めではないのだ。

この日から数ヶ月後にはミックファイアがJRAの馬を破って三冠馬になったり、JBCスプリントではイグナイターが兵庫勢初の日本一になったりして、中央競馬とは違う面白さを地方競馬から感じるようになっていた。とりあえずSPAT4には登録したぞ。

ちなみに東京チャーハン紀行は、荻窪にある中華徳大のチャーハンが腰を抜かすほど美味しかった。荻窪のカプセルホテルを定宿にしてるので再訪必至である。食べられなかった江ノ島くんが気の毒でしょうがない。