TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

新幹線のテーブルがちょっと遠い

新幹線でパソコンを触っているとすぐに疲れてしまう。新幹線のテーブルは普段のデスクと違って低いし遠い。肘掛けがあるのは良いことだけれど、でも結局膝の上にパソコンを置いて作業することになるのでどのみち意味は無い。

18きっぷで在来線に乗るしかなかった貧乏大学生も、今や新幹線も特急も自由自在に乗り倒す出張族になれた。しかし憧れの超特急新幹線だって、結局のところは交通手段の一つでしかなかった。せっかく窓側の席に座っても、車窓が動き始めるよりも早くカーテンを下げて、コンセントにスマホとモバイルバッテリーとwifiを挿してパソコンを開く。もしも電波がなくて、全くやることがないときはただただ寝ている。

これが未来の乗りものたる新幹線での過ごし方とは、便利であることがこんなにも残酷だとは。

しかし新幹線のテーブルの良いところを挙げるとするなら、崎陽軒シウマイ弁当を食べる時の距離感がちょうどいいところだ。だが東京に行く機会は年に数回しかない。東京駅の構内でシウマイ弁当を買う場所だってしっかり覚えているのに、食べる回数は実家の春巻きくらい少ない。

新幹線に乗るたびに、シウマイ弁当と売り場と東京に行った日々のことを思い出す。そうやって使いみちのない知識を反復するたびに、過ぎていった数々のシウマイ弁当と東京の記憶はより鮮明になり、新天地への憧れがますます強くなっていく。