TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

バイクの価値を積載量で決めるような野暮な真似をしちゃいけない

普通二輪の免許を取り、早速レンタルバイクを借りていつもの山道を走りに行った。借りたのはホンダのVTR250。高校生の時に猛烈に憧れて、それから10年以上経ってようやく乗ることができた。

250ccのバイクだから400ccの教習車より小さく感じるのは当たり前だけど、足もベタベタにつくし少し窮屈な気さえしてくる。でもそんなことはどうでもいい。赤色のフレームとすっきりした車体、速度計とタコメーターだけのシンプルなハンドル周り。ハンドルを回せばグオーンと音を立ててぐいぐい前に進む力強さ。いつものスーパーカブにはない「バイク」っぽさは震えるほど楽しい。免許を取って良かった。最初に憧れのバイクに乗れて良かった。

京都市内から1時間ほど走り美山の道の駅で休憩を取った。京都のバイク乗りにとってこの道は定番ルートで、北へ走れば日本海側に出られるし、西の兵庫方面にも迎えるし、山道をグルグル走ってワインディングを楽しむこともできる。道の駅としての機能はシンプルなので、とりあえず美山牛乳とソフトクリームを食べるぐらいしかやることはない。

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カブでもよく来る場所だけれど、「バイク」で走るとここまで楽しいとは思いもしなかった。ここで駄弁ってるライダーはいつもこんな楽しい思いをしていたのか。「おい黙ってるなんてひどいじゃないか」と一方的に恨みながらソフトクリームを食べた。

そして食べながら気が付いたが、このバイクには燃料計がないのでガソリンの残量が分からない。とりあえずタンクの中を覗いてみたり車体を揺らしてみたりして残量を確かめる。どうやらタンクの容量はカブの倍で、燃費はカブの半分らしいので、普段通りの給油ペースで良いのだろう。ガソリンが10リットルも入るなんてすげえ。

それから福井の小浜に抜け、港で寿司を食べ、お土産を買ってまた美山に戻ってきた。行きはソフトクリームを食べたので、帰りは牛乳を飲みながらバイクを眺めた。他のバイクや借りたVTRを眺めながら「そりゃあこれだけ楽しかったら飛ばしすぎて死ぬ奴もいるよな」と勝手に納得して、ゆっくり京都市内に戻ってバイクを店に返した。店に預けていたカブで自宅に向かいながら「やっぱり中型は楽しいな」と思い出に浸る一方で「毎日乗るならやっぱりカブだな」と思うようになっていた。都合のいいやつめ。

2台目のバイクを買っても置く場所がないし、しばらくはレンタルでとっかえひっかえ乗ってみるつもりだけれど、どうやら年間8万円ぐらいで24回レンタルできるサブスクみたいなサービスもあるらしい。なんだそりゃ。都合のいいサービスめ。