腹が減ったと台所に立ったものの、冷蔵庫には漬物とヨーグルトしかなく、冷凍庫には冷凍ご飯とウォッカしかない。レトルト食品はカレーとハヤシライスが２０個近くあるが流石に食べ飽きた。食に無頓着なくせにこういうタイミングで決まって「普段食べてないものが食べたい」とか考えてしまう。とりあえず冷凍ごはんを温めている４分間で調味料入れを漁ると明太子パスタ用のソースが出てきた、これで明太子ピラフが作れると舞い上がってとりあえず熱したオリーブオイルでご飯を炒めて明太子ソースを絡めた。しかしそれだけだとなんだか野暮ったいので、醤油を一回しして香りを立て、塩と胡椒で味を締める。味は極めて平凡で、誰かのために作るようなシロモノではなかったけど、それでも手を動かして料理をするというのは、生きている心地がして気分がいい。
