TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

『前田建設ファンタジー営業部』こんなの誰が観るの?って言いながら自分が観るタイプのやつ

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前田建設ファンタジー営業部を観てきた。上田誠のファンとしての義務感みたいなものが主な動機だった。

原作は書籍で、それをヨーロッパ企画上田誠が舞台化し、その流れで映画化までされた作品である。本当は2013年の舞台版が見たかった。原作はあれどヨーロッパ企画純正の舞台なら間違いなく面白いはずだ。

そもそもブンシャカ上地雄輔が出るような映画をわざわざ映画館で観るなんて、普段なら絶対にありえないことだ。それでも「地雷ではないだろう」と信頼できたのは上田誠が脚本だったからで、結局公開翌日の朝一番に映画館へ乗り込んだ。それほど気合を入れいていなかったので、コーラにフライドポテトも買ってダラダラ観ることにした。映画館で初めてポスターを見たが、めちゃくちゃダサかった。

結果としては「まあ、そうなるよね」ぐらいの感想しかない。心が震えることも腹がよじれることもなく、ぼんやりスクリーンを眺めつつポテトを咥えていたら小木が大声で叫んだり上地雄輔が大声で叫んだり本田力が大声で叫んだりして映画は終わった。

誰も傷つかないネタバレなので書くけれど、前田建設は反社とつながりがあるらしい。遊星爆弾を地球に送るような組織から仕事が来るなんて前田建設はとんでもない会社だ。本作はそれを暗に告発する映画だったのかもしれない。唯一の収穫といえばそれくらいだ。

コンセプトは抜群に面白い、だからこそ舞台版がより観たくなった。酒井君がマジンガーを語り、石田君がヤケクソになり、にっしゃんが何かしている舞台版なら、きっとこの虚無感はなかっただろう。小木の演技を見てると小木プルギスの夜が頭をよぎるし、
上地雄輔を好きな人はいるのだろうかと謎は深まっていく、土質のヤマダがカッコよかったので調べたらまさかのエグザイル系列の人だった。雑味の多い薄味の映画であった。

公開翌日で客入りは7割ぐらい。みんな「こんな映画誰が観るんだ?」とか思いながら観ていたことだろう。コメダ感想戦をしている時も「わざわざ映画館で観るものじゃないぜ」と馬鹿にしてしまったが、それもひっくるめてそれなりに楽しい映画体験ではあった。映画版Lo-fi Hip Hopのような感じだ。ぼんやり流し見するぐらいがちょうどいい。

次は「1917」を観る。これは気合を入れねばならん。ついさっきIMAX箱の中央前方の席を予約した。親父の勧めで観たプライベートライアン並みの衝撃を期待している。小学生にプライベートライアンを勧める親父何考えてんだ。