TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

モエレ沼公園と二条城を交換して欲しい<北海道カブツーリング6日目>

 <前>

朝、小樽から舞鶴へのフェリーを予約した。シーズンオフの平日なので往路と同様にチケットは余裕で取れた。出航は夜11時30分。10時頃に到着していれば大丈夫なはず。苫小牧から小樽までは最短で100キロ程度。寄り道しながらゆっくり向かっても時間が余る計算だ。少しは観光らしいこともしたほうが良いと今更ながら思った。

朝食は洞爺湖を眺めながら食べることにした。支笏湖を経由して1時間程度走り、洞爺湖が一望できる展望台登って朝食の支度を始める。例によってカップヌードルカツゲンだけれど、景色が良いからそれだけ満足だ。

f:id:tannymotors:20201014143923j:plain

f:id:tannymotors:20201014143946j:plain

そういえば高校時代の修学旅行先は北海道で、洞爺湖のホテルにも泊まっていたんだった。今思い出してもあの時カップルで修学旅行に行けた奴らが羨ましい妬ましい。このあたりの思春期タトゥーはいくらツーリングしようと優勝し続けようと到底上書きできるものではない。良くない思い出アーカーイブを開きそうになったのでカツゲンを一気飲みして気を紛らわせた。今日も美味いぞカツゲン

次は北上して羊蹄山でも見に行こうとしばらく走っていると、急にモエレ沼公園のことを思い出した。高校生のころからずっと行きたいと願いながら結局行く機会もなく、ずっと自分の「行きたい場所リスト」の1位を占領していたイサム・ノグチモエレ沼公園。10年以上行きたいと思っていたのになぜ今まで忘れていたんだ。北海道に来てから初めて、今まで走った道を振り返って、ルートを札幌方面に変えた。

モエレ沼公園に着いたのはお昼ごろ。まずはピラミッドの形をしたモエレ山に登り、公園全体を眺めながらそこでお弁当を食べた。タウシュベツでは自然の景観に圧倒されたが、モエレ沼公園ではイサム・ノグチが遺した作品の大きさに圧倒された。なんだってデカいのはいいことだ。

f:id:tannymotors:20201014155001j:plain

f:id:tannymotors:20201014155029j:plain

f:id:tannymotors:20201014155048j:plain

山の頂上からは人が点にしか見えない。それくらい大きな公園がある札幌が心底羨ましい。京都は梅小路くらいしか大きな公園がないから、二条城あたりと交換して欲しい。子供じみた駄々をこねてたら冷たい風が吹いてきたので、次は目の前にあるガラスのピラミッドに向かう。ここの入館料はなんと無料だという。二条城が大人600円だと考えると...しかしあれは観光地だから...何も言うまい。

f:id:tannymotors:20201014162014j:plain

 ピラミッドの中は広い吹き抜けや彫刻が展示してある。1階にはレストランも入っていて本格的なフレンチからおやつまで食べられるようになっている。部活で寄り道しているらしい高校生に混じってソフトクリームを食べながらこの建物や空間を堪能した。公園は日常の延長線にあるものだと思っていたけれど、ここまで作り込めば非日常みたいに思える。昼食を食べた山は芝が生えていたけれど、そもそもピラミッドの形をした山だって非日常だ。

f:id:tannymotors:20201014162955j:plain

来た時は動画撮影をしている学生風の女の子たちがいたけれど、夕方になると人もいなくなってきたのでタイミングを見計らって最後の自撮りをしておいた。ダサいアー写みたいな写真が撮れたので大いに満足した。何やってるのか分からないところが気に入っている。

f:id:tannymotors:20201015000202j:plain

日が沈むまで公園に入り浸って、そこからのんびり小樽へ向かう。フェリーが出るまでそこそこ時間があったので、小樽運河を眺めたり倉庫を背景にカブの写真を撮ったりしながら遊んでいた。坂道を登ってみたりもしたけれど夜なのでそこからは何も見えなかった。いつか明るい時間の小樽も訪れてみたい。こうやってリベンジ案件が増えていくんだろう。

f:id:tannymotors:20201015000322j:plain

夕飯はなぜか山岡家になった。チェーン店ということは知っていたけれど関西じゃ見たこともないし、そのくせ北海道ではあちこちにあったのでついつい入ってしまった。なんというか家系にシフトした天下一品みたいなラーメンだった。疲れた体にはありがたい塩分濃度だ。帰ってから関西圏のお店を調べると明石店がヒットしたけれど、正直明石は行きづらい。これからも東に出かけたときに寄ることにしよう。

f:id:tannymotors:20201015001017j:plain

10時頃フェリー乗り場に着くと50台以上のバイクが並んでいた。舞鶴から乗った時の3倍位並んでいるだろうか、よくもまあこんなに集まるものだ。大きなバイクを見ていると羨ましくもなるが、しかし箱が似合うのはうちのカブがダントツだ。最近はスポーツ系のバイクを見ても「どうやって箱載せるんだ?」「キャンプ道具は積めるのか?」という目線で見てしまう。こうやって偏見が生まれていくんだな。

明らかに疲れているようなので荷締め具合を確認してさっさとロビーで休むことにした。おっさんライダー達がベンチで溶けながらコナンを見ている。誰もきちんと見ていないだろうからきっと真相は迷宮入りだろう。

f:id:tannymotors:20201015001554j:plain

f:id:tannymotors:20201015001621j:plain

フェリーに乗船して荷物を下ろすと、気が抜けて一気に眠たくなってきた。感慨に浸る暇もなく、北海道に別れを告げることもせず、張ったばかりのシーツに倒れてそのまま寝てしまった。しかしまだ旅は終わらない。明日は夜まで海の上で過ごすし、クーラーバッグには買い込んだカツゲンも入っている。

10年以上前に飛行機で北海道に来た修学旅行生の自分は、フェリーとバイクで北海道に来た今の自分を見て、道中の主な話し相手が野生の鹿だった自分を見て、一体何を思うのか。フェリーは羨んでくれるといいな。

 

<つづき>

tannymotors.hatenadiary.com

 

もっと走れ<北海道カブツーリング5日目>

<前>

 いつもどおり朝6時に起床。ここは然別湖北岸野営場。朝食は最後の一切れになったみそぱんとカツゲン。このほのかな甘さが体にしみる。

f:id:tannymotors:20201013220822j:plain

今日は予定がない。それに天気もあまり良くない。いよいよ行き場がなくなった。みそぱんを齧りながら地図を眺めてもなかなかピンとくる行き先が思いつかない。ひとしきり考えた結果、ひとまず北から南下してきた訳だし、引き続き南に進もうということになった。気圧が下がっているらしく頭が痛くなったので頭痛薬を飲んで7時にキャンプ場を出発した。

今回は然別湖の北側でキャンプをしたが、湖の南側にはホテルが立っていて湖面にはボートも浮かんでいた。決して目立つ場所にあるわけではないものの、静かで落ち着いた場所だった。誰でも一度来たらきっと気に入るだろうなと思った。

f:id:tannymotors:20201013223728j:plain

山を降りると両サイドが鉄条網と林だらけの場所に出た。林の先が見えないのでちらちら横を見ながら走っていると立入禁止の看板と駐屯地の文字が見えた。陸自の演習場なのか。本当にあちこちに駐屯地がある。さらに進むと駐屯地の門と、すぐそばに戦車が置いてあるのが見えた。戦車を持つ駐屯地というのはさすが北海道という感じだ。

f:id:tannymotors:20201013223746j:plain

 

f:id:tannymotors:20201013223757j:plain

f:id:tannymotors:20201013223815j:plain
置いてあったのは61式戦車と、74式戦車、そのさらに右には60式自走無反動砲もあったけれど、装甲車にバズーカ載せたものを戦車と呼ぶのは流石に無理があるだろう。駐屯地を抜けるといつもの見通しの良いひたすらに真っ直ぐな道が復活したのでまた無心で走り続けた。無心なのはまだスマホが粉砕した件は引きずっているからだ。

10時15分に帯広駅に到着。もう旅程どころかその日の時間さえ気にしなくなってきてるので、写真を見返さないといつどこにいたかさえ曖昧だ。

帯広に寄ったのは「豚丼」を食べるためだった。フェリーの昼食で豚丼は食べたけれど、やはり本場の味を食べておいたほうが良いだろう。さすがにみそぱんとカツゲンだけでは北海道の食を語るのは難しい。帯広駅前にある地下駐車場にバイクを止めて、駅構内に出店しているお店に入った。

f:id:tannymotors:20201013223856j:plain

やはり本場の、というかきちんとしたお店だと出てくるものもまるで違う。肉はデカイし、固くなる一歩手前で綺麗に焼き上がっている。タレも美味い。やっぱり本場で食べておかないとな、と思いつつも、店の名前はすっかり忘れてしまった。しかし美味しかったのは事実だ。名物を名乗るだけのことはある。

f:id:tannymotors:20201013224345j:plain

食べ終えて帯広駅を出るといつの間にか雨が降り出していた。駐車場で雨具を着込み、市内で給油を済ませ、また何も考えずに走り出す。「南に行く」という方針によれば、このまま南に進み続けると襟裳岬にたどり着くはずだ。雨の中岬に行ったところでろくな景色も見られんだろうと少しは懸念したものの、何もせずにいるより走り続けている方が遥かに気持ちが楽だった。

給油と小休止以外は寄り道もせず延々と走り続けて、4時間弱かけて襟裳岬に到着した。岬から水平線が見えるわけでもなく、振り返っても山々が見えるわけでもなかったけれど、走りながら色々なことを考えて、考えてもしょうがないな、と思い至るぐらいには頭の中は片付いた。ただツーリングを禅と履き違えているような気はする。

f:id:tannymotors:20201013225559j:plain

唯一面白かったのは襟裳岬の駐車場に一軒だけある土産物屋だ。名産品の名前と「テレビに紹介」の文字をこれでもかと掲げてあった。ここまでジャンクな土産物屋は初めてだ。雨に濡れていたので店内には入れなかったけれど、こういうところなら謎のステッカーやアイテムが見つかるに違いない。

f:id:tannymotors:20201013225613j:plain

この「のぼり」の密度だけでも楽しい。これぞ観光地、という感じだ。

f:id:tannymotors:20201013231032j:plain

さて襟裳岬にはついた。ちょっと周りを走ってみるかと思って岬の駐車場を出ると、鹿の親子に出くわした。もちろん野生だろう。道に飛び出すこともなく静かにこちらを見ていた。

北海道に来てから全く人と話をしていないので、路肩にバイクを止めて鹿に話しかけてみることにした。「雨結構冷たかったですね」とか「ここっていつも風強いんですか」とか、取り留めのない話ばかりだったけれど、手前の子鹿は割とこちらを見て話を聞いてくれていた。しばらく一方的に喋って「走ってばっかりなんでやっぱ疲れますわ」と口にしたところで、自分が疲れてきてることをようやく理解した。何も考えずに走っていたというより、おそらく何も考えられていないだけだ。あと鹿に話しかけている時点で相当ヤバい。

f:id:tannymotors:20201013230308j:plain

ひとまずこの日は苫小牧まで行くことにした。襟裳岬から苫小牧までも4時間弱かかるが、それぐらいは別にどうにでもなる。この日だけで400キロ走ることになるが、それを望んで北海道まで来たのだから本望だ。

苫小牧への到着は夜になってしまったが、銭湯に入ることはできた。昔からある感じの地元の銭湯で、男湯と女湯が線対称の構造で、もちろん天井を通して向こう側の声も聞こえる作りだ。湯は熱めで、おかげで雨に濡れた体も一気に回復できた。僕は外様なので風呂場でも脱衣場でも隅で大人しくしていたが、番台の女将さんや常連のおじさんたちは話し好きらしく旅行者だと知ると苫小牧周辺の色々なことを教えてくれた。

このあたりの鹿たちは牧場の馬たちと一緒に過ごすことが増えてきたとか。猟師もさすがに牧場に銃は向けられないし、牧場の馬は競走馬だから誤射しようものなら損害賠償がエライことになるとか。京都にいたらまず聞かないような話ばかりだった。それに人と話すのはやはり楽しい。鹿は話しかけても返事してくれないものな。

銭湯を出て、湯冷めしない程度にゆっくりと苫小牧を走りながら、明日のフェリーで京都へ帰ることに決めた。十分満たされたし、もうこれ以上は蛇足になってしまう。

<続き>

tannymotors.hatenadiary.com

 

スマホ画面と引き換えにタウシュベツ川橋梁と然別湖を手に入れた<北海道カブツーリング4日目>

<前>

 

 旭川の快活クラブで一夜を過ごして朝6時に出発。撤収がない分キャンプする場合より素早く出発できるのはネカフェ泊のいいところだ。朝食は3切れ目のみそぱん。エネルギー源としての優秀さが抜群だ。もし北海道を再訪することがあればきっとまたみそぱんを買うことだろう。ありがとうみそぱん。

今日はまず旭川から150キロ先の上士幌町にある「十勝西部森林管理署東大雪支署」に向かい、そこで林道の鍵を借りてその先にある「タウシュベツ川橋梁」を見る。そして夜はキャンプだ。

事前に考えていた行きたい場所リストの2つ目がこの橋梁である。ただし橋梁へ至る林道の鍵には限りがあるので、ひとまず管理署が開く時間に合わせて出発することにした。念の為にルートを確かめようネカフェの駐車場でスマホを取り出したらうっかり地面に落としてしまった。「ひええゴツいケースにしといて良かった」と思いスマホを拾い上げてみると画面全体が粉砕していた。

f:id:tannymotors:20201009224156j:plain

そこから先のことはあまり覚えていない。無心で走り続け、9時前には上士幌町に到着できた。管理署で場所の説明やらサインやらを済ませて林道の鍵とA4の許可証を借りた。許可証はバイクだと掲示できないのでサイドバッグにしまい、鍵はキーチェーンにつけた。これで林道に入れるわけだ。スマホはバキバキだけど。

f:id:tannymotors:20201009224218j:plain

林道は二輪車じゃ走るのが大変そうだと思ったけれど、前を走る大型のアドベンチャーバイクは割と快適そうだった。そもそもクロスカブでもハンターカブでもない普通のカブは林道走行を想定していないだろう。自転車より少し早いくらいのスピードで林道を抜け、駐車場のようなところに出てそこからは徒歩で橋梁へ向かう。木々のトンネルの先は眩しくてなかなか様子が見えないし、道には倒木が転がっていて歩きづらい。おまけにスマホはバキバキだし。

f:id:tannymotors:20201009224301j:plain

道を抜けると一気に景色が開けた。そこは絶景であった。走行中はなるべく橋梁のある糠平湖の方を見ないようにしていたのもあるが、目の前の景色が想像より遥かに綺麗で笑ってしまう。タウシュベツ川橋梁糠平ダムの水位により沈んだり現れたりする。ただこの年は水位の上昇が遅いようで、9月上旬でも橋梁の周りには草が生い茂り、スマホもバキバキだ。

f:id:tannymotors:20201009224324j:plain

f:id:tannymotors:20201009224750j:plain

f:id:tannymotors:20201009224356j:plain
橋梁の周りを歩いたり、腰を下ろしてぼんやりしているだけなのに最高に楽しい。橋梁の劣化は年々進んでいてところどころ崩れたりしているし、橋の近くや上部は立ち入り禁止になっている。見るなら今しかないと思いながらほったらかしていたけれど、とにかく最高の景色を堪能できた。あとガルパン劇場版にもこの橋(によく似ているもの)が出てくるので聖地巡礼もできた。訪れる難易度はタウシュベツのほうが高いのに大洗より先に来ることになろうとは。勢いでもなんとかなるものだ。バキバキのスマホも少しだけ許せた。

f:id:tannymotors:20201009224449j:plain

f:id:tannymotors:20201009225131j:plain

f:id:tannymotors:20201009224821j:plain

時間はお昼ごろ、林道の鍵を返して上士幌の道の駅でお昼を食べつつツーリングマップルをめくる。どうやら近所の高原にデカイ牧場があるらしい。快晴ゆえに地味に暑いこの場所を離れて高原で涼みながらソフトクリーム、即決して高原へ向かう。いつの間にか道は上り坂になり、左右どちらを見ても牛がいる。そしてナイタイ高原牧場に到着。ここもまた絶景だ。おそらく東の方角を見ているはずで、その先には釧路、根室、知床があるはずだった。今回のツーリングではそこまで回りきれないけれど、北海道にはまた来ることになると思いながらソフトクリームを買った。周りがカップルだらけだったのでカブのシートで食べることにした。センタースタンドがついているバイクはこういう時座れるから便利だ。どういう時なのかは知らんが。

f:id:tannymotors:20201009224613j:plain

f:id:tannymotors:20201009224636j:plain

f:id:tannymotors:20201009224645j:plain
キャンプ場には日が沈む前に到着することができた。今回泊まるのは「然別湖北岸野営場」というストイックかつ分かりやすい名前のキャンプ場だ。野営場なので設備は炊事場とトイレのみ。電気はない。ゴミ箱も無し。そして圏外。最高にちょうどいいキャンプ場だ。この時は私以外に2人しかおらず、夜になれば物音一つしない真っ暗な闇を味わえた。料金はたったの250円。夕方に管理人が来るのでそのときに払いに行くスタイルのようだ。

f:id:tannymotors:20201009224847j:plain

f:id:tannymotors:20201009224921j:plain

設営も上手くできた。このときばかりは焚き火で遊びたくなったけど、我慢しながらランプの炎を少しだけ大きくした。それでも十分楽しい。明日電波が拾えたら、新しいスマホを注文しよう。今度はガラスフィルムも一緒に買うんだ。

f:id:tannymotors:20201009224700j:plain

毎晩北海道限定のサッポロクラシックを飲んでいる気がする。そしてスープを作り忘れて普通にお湯で作ってしまった。正しくは湯切りのお湯を使うらしい。

f:id:tannymotors:20201009225419j:plain

それにしてもクッチャロ湖といい然別湖といい北海道の湖はどれも綺麗だ。きっとこれが本当の湖なんだろう。うちの近所に琵琶湖があるけれど、実は琵琶湖は湖じゃなくて河川だ。みんな琵琶湖に騙されてはいけない。

<つづき>

tannymotors.hatenadiary.com

全ては旭山動物園のために<北海道カブツーリング3日目>

< 前>

朝6時、日の出と共に目が覚める。キャンプツーリングの生活サイクルは太陽と同期することになる。テントの中が明るくなれば目も覚めるし、日が沈んで暗くなれば眠たくなる。キャンプのためのツーリングだと焚き火だ料理だとアクティビティを詰め込めるが、ツーリングのためのキャンプだと設営して食事を済ませたらさっさと寝てしまう。そのため今回のツーリング道具にはメスティンや焚き火セットが含まれていない。食事はセイコーマートに行けばいいし、焚き火よりも星を見たかったのでこれでも不自由は一切ない。おかげでボックスがスカスカになってしまった。旅慣れると荷物が減るのはバイクでも同じのようである。

f:id:tannymotors:20201003115700j:plain

撤収の途中でクーラーバッグで冷やしておいた「カツゲン」と、フェリーで買った「みそぱん」を食べた。なんとなく買って保存食的な見た目をしているみそぱんだが、その実食べてみると甘い香りとわずかな味噌の風味がしっとりした生地に練り込まれていて大変美味しい。カツゲンは北海道限定の飲み物らしく、牛乳要素のあるカルピスといった感じである。どちらも旅に大切なエネルギー源という感じがして頼もしい。

朝食を食べた勢いで撤収も済ませる。キャンプは人がいた痕跡を残さずに去るものだと個人的に思っている。そのほうが次来る人も快適だし、こっちも撤収に気合入る。間違って焚き火跡なんて残した日には「焚き火の跡…乾燥してまだ暖かい…!探せ!まだ遠くには行っていないはずだ!」と追跡者に察知されマ・ドンソク風の兄貴にぶん殴られるに違いない。

f:id:tannymotors:20201003115934j:plain

撤収は済んだがもう少しやってみたいことが残っている。バードウォッチングだ。クッチャロ湖にはコハクチョウがやってくる。わざわざ道具に双眼鏡を加えていたのも「野生動物を見てみよう」という思いつきからだった。ちなみにみそぱん1切れではちょっとお腹が寂しかったので前日の夕飯を買ったセコマに戻ってカツ丼を買ってきた。朝8時前に食べるもんじゃないがもうここに時間の概念なんてない。

およそ30羽ぐらいだろうか、一応湖面に水鳥たちはいた。30分ほど双眼鏡を顔に押し当ててその姿を眺めていたが、みんな静かに水面に浮かんでいるだけで特に何も変化はなかった。そして人生初のバードウォッチングはほぼカツ丼を食べるだけで終わってしまった。私にはまだ早すぎる趣味らしい。

f:id:tannymotors:20201003120053j:plain

さて出発だ。この時点で8時30分。浜頓別町から内陸部を走って旭山動物園に向かう。バードウォッチングは楽しめないが動物園は好きだ。天気はまあまあ。旭川市まではおよそ200キロ。寄り道しながらでも余裕の距離設定なのは昨日の400キロ爆走で証明済みだ。

北海道の道は相変わらず直線で長い。おかげで色々なものが目に入る。なぜか公園に自衛隊のF-104が展示してあったのでもちろん立ち寄った。1982年に退役した旨が機体にステンシルで書かれている。自衛隊の航空機にはステンシルで色々と書いてあるけれど、「GOOD-BYE」は初めて見た気がする。整備士の心意気みたいなものが伝わって来てなんだか嬉しくなった。大事にされてたんだろうなあ。

f:id:tannymotors:20201003125122j:plain

 

f:id:tannymotors:20201003125142j:plain

内陸部は当たり前ながら畑が多い。遠くまで続くなだらかな土地に敷き詰められた畑、点在する作業小屋や家屋、本州では見られない景色が北海道にはある。無目的でも来てよかったなと心から思った。

f:id:tannymotors:20201003130919j:plain

f:id:tannymotors:20201003131018j:plain

ところで走行中にバチバチと虫がぶつかって来る。9月上旬といえど秋の虫は既に跳梁跋扈していた。おかげでレッグカバーやらヘルメットやらを定期的に吹き上げなければならなかった。立ち寄るセイコーマート全てにウインドウォッシャーが並んでいたのはなるほど虫対策かと納得がいった。

f:id:tannymotors:20201003133501j:plain

道の駅でおやつを食べたり接近する雨雲に怯えたりしながら午後2時に旭山動物園に到着。北海道固有の生き物たちを見るといよいよ知らない土地に来たんだという実感が湧いてくる。あとシカには本当に気をつけないと命の危険がある。あの角に突っ込んだら助かる気がしない。

f:id:tannymotors:20201003140626j:plain

f:id:tannymotors:20201003140705j:plain

f:id:tannymotors:20201003140729j:plain

ペンギンもオウサマペンギンを見ることができる。今までアデリーペンギンフンボルトペンギンしか見たことがなかったけれど、オウサマを名乗るだけあってなかなかでかい。心なしか態度もデカイように見える。そしてアムールトラは今年三つ子の赤ちゃんが生まれたらしい。アムールトラファンとして見過ごすわけには行かない。結果として3時間の滞在のうち1時間以上アムールトラに費やしていたことになるが、一切の後悔はない。ただただ至福のときであった。そりゃあ日本一の動物園にもなるよなあ。

f:id:tannymotors:20201003141033j:plain

f:id:tannymotors:20201003141721j:plain

 この喧嘩を閉園までずーっと見ていた。かわいいなあ。

 

<続き>

tannymotors.hatenadiary.com

 

宗谷岬まで突き抜けて。<北海道カブツーリング2日目>

<前>
朝5時の札幌。北海道に到着して早々にネカフェの世話になった。一部の限界ツーリング愛好者は快活クラブを実家と呼んでいるらしい。確かに最近は鍵付きの個室もあるし、その辺の簡易宿所よりはるかに豪華になっているからついそこに流れるのもよくわかる。

今日の目的地は日本最北端の宗谷岬、の途中にある留萌だ。札幌からはおよそ150キロ。寄り道しながら走ってもキャンプ場で夕焼けを眺めることができる計算だった。北海道初日なのでまずは「慣らし」である。

身支度を済ませてまずは札幌市内にある「平岸高台公園」へ向かう。ネカフェから出て10分足らずで到着したので北海道に来た感慨に浸るほどの暇はなかった。

f:id:tannymotors:20200930213709j:plain

さてここは見ての通りただの公園である。だが写真の右奥に見える建物は旧HTB社屋。そしてこの場所は「水曜どうでしょう」の前枠と後枠のロケ地として使われている公園なのだ。水曜どうでしょうファンにとってここは聖地の一つになっている。私も水曜どうでしょうは好きだったが、「近所にあるらしいし一応寄ってみるか」程度の気持ちで来てしまったのと、時刻がまだ6時にもなっていなかったのでこの時は「あー、たしかにな」程度にしか思わなかった。もったいない楽しみ方だな。

そこから札幌市街を抜けて北へ向かう。ここでようやく今いる場所が北海道であることを理解した。地平線の彼方まで伸びる道、今まで見たことないくらい広い空、ただ走るだけでめちゃくちゃ楽しい。なるほどこれが北海道か。そりゃあ走りに来たくなるよ。道幅も広いし都市間の道に信号は全くないので止まることなく走り続けられる。これが「優勝」ってやつだ。私は今まさに「優勝」しているのだ。

f:id:tannymotors:20200930220149j:plain

カブは順調に走る。むしろ順調すぎて、最初の目的地だった留萌の黄金岬キャンプ場に午前10時に到着してしまった。いくらなんでも早すぎる。ここは海辺の道路沿いにテントを張るスペースがあり、炊事場とトイレもあって料金は無料、しかも日没まで拝めるという素晴らしいキャンプ場だ。だが10時からテントを張ってキャンプというのはやはりもったいない。それに全然走り足りない。とりあえず写真だけ撮って、引き続き北へ向かうことにした。

f:id:tannymotors:20200930225652j:plain

初日から予定を前倒すことになるとは思ってもいなかった。正直北海道の道を侮っていた。時速60キロ1時間走ったら1時間後に60キロ先の場所にいる。算数の問題に出てくるたかし君みたいなことになっている。

留萌の北にある「おびら鰊番屋」という道の駅で休憩していると、静岡から来たというおじさんが話かけてきた。軽バンで北海道を回っているらしく、今日の目的地は宗谷岬だという。現在地から宗谷岬まではおよそ180キロ、時速60キロで走れば3時間で着く計算だ。机上の空論としか思えないが、それが成立するのが北海道である。

延々海沿いを走るのに飽きてきたので、少し内陸部を走ることにした。風に煽られることもないしこれはこれで快適だ。地図に「宮の台展望台」というスポットが紹介されていたので写真を撮りに寄ってみた。遠くのサロベツ湿原も一望できて見事な景色だ。海も空も陸も美しく飯も美味いとなるといよいよ勝ち目がないな。

f:id:tannymotors:20200930230444j:plain

宗谷岬にはすぐ南にある牧場を経由して向かうことにした。四国カルストでも牛は見たが、北海道は比べようもないくらい牛が飼育されている。それにとんでもない数の牧草ロールを見た。遠くから見るとマシュマロみたいだが、実際は高さが2m位あるので投げつけられたらたぶん死ぬ。

f:id:tannymotors:20200930230731j:plain

牧場からは風車郡も見える。クリーンエネルギーの代名詞みたいな風力発電だけど、風車のそばまで行くとゴウンゴウンとモーターの音が響くのであんまり居心地は良くなかったりする。しかし大きなプロペラが回っていること自体がカッコいい。

f:id:tannymotors:20200930230539j:plain

牧場の高原を降りたらそこは宗谷岬だった。「日本最北端到達」の実績はこれで解除された。北海道行き自体も適当な決定だったし、宗谷岬を目的地にしたのも「一応行くか」程度のスタンスだったので達成感はまるでないが、道中が楽しかったのでこれで十分だ。旅は移動中が一番楽しいというのは小学校の遠足の時から変わらない真理だと思う。

f:id:tannymotors:20200930231546j:plain

家族に写真を送るために一応自撮りも済ませた。自撮り棒ではなくセルフタイマーを使うあたりが痛々しい。それに構図も服装もめちゃくちゃだし、1ミリも楽しそうに見えないが、家族に無事を知らせるにはこれで十分だということにした。

写真を家族のグループラインに送ってバイクに戻ると、そこには留萌で会った静岡のおじさんがいた。「君のカブ速いねえ」じゃねえよ。この再会をどう受け止めたらいいんだよ。おじさんは釧路方面へ向かうという。私は適当にキャンプすると言って別れた。流石にもう会うこともあるまい。

f:id:tannymotors:20200930232047j:plain

運命的再開を果たして時刻は午後3時半。キャンプ地をどこにするべきか考えねばならない。稚内にするか、海沿いを時計回りに進んだ先にするか。宗谷岬についた時点でこの日の走行距離は350キロを超えていたが、せっかくなので行けるところまで行くことにした。

今回の宿泊地は浜頓別町の「クッチャロ湖畔キャンプ場」。湖畔でキャンプとはさぞ風流だろうと思って向かってみたら到着がチェックインギリギリになってしまったが、それでも日没は拝むことができた。まさか予定していたキャンプ地から260キロも先の場所でキャンプするとは。予定とはなんぞや。

さてテントも建てたのでとりあえず買い出しと給油に出る。キャンプ飯が楽しいのはわかっているが、正直なところ北海道においてはセイコーマートに食を委ねたほうが楽だし美味い。このせいでご当地グルメをガンガン無視することになるのだが、こればかりはしょうがない。だって温かいご飯が目の前にあるんだもの。そりゃ食うよ。

f:id:tannymotors:20200930232906j:plain

 

なんとなく動画まで作ってしまった。編集は難しいしやっぱり宗谷岬は遠い。

 

<続き>

tannymotors.hatenadiary.com

 

舞鶴から小樽へのフェリー。静かにわくわくする時間。<北海道カブツーリング1日目>

<前>

朝8時。微妙に狭いベッドで目を覚ます。わずかに聞こえるエンジン音と振動。でも疲れていれば快適に眠れるものだ。風呂の支度を持ってロビーに出るとテレビで船の現在位置を表示していた。おおむね佐渡島の北北西約150キロにいるらしい。もちろんスマホを見ても圏外なので電源は切ってしまった。

f:id:tannymotors:20200924160727j:plain

船の大浴場からは日本海が見えた。誰もいなかったので素早く写真を撮ったが、結局僕が風呂から上がるまで誰も来なかったので風呂場と日本海を独り占めにしながらの朝風呂を楽しめた。湯船が少し左右に揺れていてさすが瀬戸内海とは違うなと思った。だが時化の日の風呂はどうなるんだろう。みんなシャワーだろうか。

f:id:tannymotors:20200924161213j:plain

風呂から上がって船尾のデッキで体を冷ます。雲一つない青空と船以外何も浮かんでいない日本海が見事だった。船はおよそ時速50キロで進んでいるのでそれなりに風は強いけれど風よけの内側にいればのんびり潮風を楽しむことができた。9月の上旬なので気温はまだ高いはずだけれど、海を見ていればそんなこと気にならない。

f:id:tannymotors:20200924162008j:plain

適当に海を眺めてから船内に戻り、ツーリングマップル蛍光ペンをもって旅程を考える。フェリーの到着は夜10時頃なので、到着地の小樽か札幌のネカフェで休めばいい。問題はそれからの予定だ。とりあえず北に行くことにした。ハチクロの竹本君が確か自分探しで宗谷岬に行っていた気がする。地図には小樽から札幌、宗谷岬まで線を引いた。ツーリングマップルでは「オススメだよ!」という道は太く塗られているのだけれど、蛍光ペンはほとんどその上を走っていた。

宿は基本的にキャンプだから行程に合わせて選べばいい。湖のそばにキャンプ場が置かれている傾向があるので、めぼしいところにマークを入れておいた。北海道のキャンプ場は数百円から無料のところが多く、Gotoキャンペーンどころのお得さではない。それにシーズンオフの平日だからサイトが埋まってることもないだろう。

それから事前に行こうと思っていた旭山動物園タウシュベツ橋梁に印をつけて、宗谷岬からそれらを巡る道に線を引いた。これで札幌の朝から3日分の旅程が組めた。1日の走行距離は大体400キロから250キロ。経験則的には1日の走行距離は最大でも250キロにしないとただ1日走るだけになってしまうと分かってはいたが、北海道を走ることが目的なのでもうこれで良いだろうという結論に至った。走行距離や出発時間の計算には地図アプリが必要なのでこれ以上考えても仕方がない。ただ給油ポイントだけはきちんと押さえておいた。カブには4リットルしかガソリンが入らない。いくら燃費が良いとはいえ200キロごとに給油しないと詰むのだ。

行きたいところに行くためのルートは組んだので船室に戻り地図をカバンに詰めてゴロゴロしていると「レストランで昼飯が食えるぞ」という船内放送が流れてきた。コンビニや売店で買い込んだ食料はあるけれど、こういう時にケチっても楽しくないのでいそいそとレストランへ向かう。丼か麺類かカレーというシンプルなメニュー大系だったのでとりあえず豚丼を食べた。帯広では豚丼を食えと地図にも書いてあったので先走ってしまったが美味しかったので問題ない。ご当地グルメに全く関心がなかったので教えてくれたことに感謝したいくらいだ。帯広に寄ることがあればまた食べてみよう。

f:id:tannymotors:20200924171139j:plain

お昼を食べ終えても到着まであと9時間はある。ずっと海を見ていてもしょうがないし先の行程も決まりそうにないので再びベッドでゴロゴロして過ごす。少しだけ昼寝をして時々船内を散歩していたらいつの間にか夜になっていた。売店でフェリーのステッカーと「みそぱん」なる謎の菓子パンを買った。この「みそぱん」が妙に美味しく、かつ保存も効くようだったので四切れのうち一つだけ食べてあとの三切れはクーラーバッグにしまっておいた。まさかこれが後々活きてくることになろうとは。

午後9時過ぎに「そろそろ上陸するよ」というアナウンスが流れたので他のバイク乗りたちと一緒に車両甲板へと降りて上陸の準備。自転車を除けば他のどのバイクより自分のカブが一番小さかった。とはいえ一番可愛いのがうちのカブだという事実に変わりはない。隣の芝生は青く見えるが自分の芝は黄金色なのだ。船のハッチが開き甲板員が点々と並んでバイクを誘導し始めた。船内をできるだけゆっくり走り、慎重にタラップを降りる。これで一応北海道に上陸したらしい。ほんとか?しかし確かめようにもスマホの電源はまだ切ったままだった。

 

<続き>

 

今日は仕事が終わり次第北海道へ行こう<北海道カブツーリング0日目>

遅い盆休みを9月に取った。しかし特にやりたいこともないまま9連休前日の朝を迎えた。ああどうしたものかと考えながら、出勤中のバスの中で、その日の夜に出る舞鶴発小樽行きのフェリーを予約した。さて今夜から北海道ツーリングへ出ることになったぞ。しかし北海道に対する思い入れは全くない。国とワリカンで旅行に行けるのだから行ってみるか、ぐらいにしか考えていなかった。

仕事を終えて家に帰り、粛々と荷造りをして舞鶴港へ走った。テント、コット、キャンプ道具を入れたコンテナを荷台に縛り付け、着替えやカメラなどの旅道具はリュックに詰め込んだ。旅道具はほとんど最適化してしまったから道具選びに迷うことはないれど、普段持たないガソリン携行缶を念のために持っていくことにした。自宅から舞鶴港まではおよそ100キロ。下道で3時間。舞鶴のコンビニで乗船中の食料を買い込んで、クーラーバッグはコンテナにつけたフックにぶら下げた。

f:id:tannymotors:20200919152720j:plain

フェリー乗り場には確かに船が泊まっていた。昼間の舞鶴にはよく訪れていたので舞鶴港から北海道に行けることは知っていたものの、まさか無計画に北海道に行くことになるとは。6月の四国行きの時に使ったオレンジフェリーでは数台しか見かけなかったバイクも、今回は20台ぐらいに増えていた。Gotoのおかげか、もしくは北海道のポテンシャルなのか。

f:id:tannymotors:20200919153250j:plain

ツーリングのルートや目的地は片道20時間のフェリーの中で考えることにした。ツーリングマップルの北海道版は以前に買っていたのでリュックの底に詰めてある。パラパラと眺めてみると景色が良いのは確からしい。景色が良いところを走れば北海道に行った甲斐を見つけられるかもしれないし、そのために1000キロの海路を渡るのも悪くないかもしれない。

本やネットで「北海道はライダーの聖地」みたいな言葉もちらほら見受けられるけれど、担ぎ上げるような言葉は使いたくないので、北海道のことはとりあえず「走っていると良い景色が見られるところ」ぐらいに留めておく。

それにここで過度な期待をするべきではない。もしかするとバイクで船に乗る行為そのものの方が楽しいかもしれない。何せバイクで大きな船に乗り込んでいくのだ。広い駐車場で整列し、順番にタラップを走り、甲板員の誘導で手際よくコンパクトに駐車されていく。これに勝るエンタテインメントはそうそうあるものではない。今回も青色の誘導棒に従い綺麗に駐車することができた。ただの駐車なのになかなかどうして心が躍るではないか。

仕事終わりに夜道を走って夜行フェリーに乗り込むのはさすがに疲れたので、さっさとベッドメイクをして寝ることにした。海自の動画でマットレスを半面外してからシーツを被せると素早く綺麗に仕上がると聞いたので早速実践してみた。ここでの作業が今後20時間の居住性を左右するので普段の仕事より集中してシーツを張った。終わるころにはフェリーは離岸して舞鶴湾を出ようとしていていた。「なんで北海道に行くんだろう」と思ったが、いよいよ取り返しはつかない。真っ暗な海を眺めながら買っておいたビールを開けてちーかまを食べる。3本入りだと思っていたちーかまが実は4本入りだったのでなんだか得した気分になった。北海道って遠いんだなあ。

 

 続き