TANNYMOTORS

人の味を知った熊は再び人里に降りてくる。

今日は仕事が終わり次第北海道へ行こう|北海道カブツーリング0日目

遅い盆休みを9月に取った。しかし特にやりたいこともないまま9連休前日の朝を迎えた。ああどうしたものかと考えながら、出勤中のバスの中で、その日の夜に出る舞鶴発小樽行きのフェリーを予約した。さて今夜から北海道ツーリングへ出ることになったぞ。しかし北海道に対する思い入れは全くない。国とワリカンで旅行に行けるのだから行ってみるか、ぐらいにしか考えていなかった。

仕事を終えて家に帰り、粛々と荷造りをして舞鶴港へ走った。テント、コット、キャンプ道具を入れたコンテナを荷台に縛り付け、着替えやカメラなどの旅道具はリュックに詰め込んだ。旅道具はほとんど最適化してしまったから道具選びに迷うことはないれど、普段持たないガソリン携行缶を念のために持っていくことにした。自宅から舞鶴港まではおよそ100キロ。下道で3時間。舞鶴のコンビニで乗船中の食料を買い込んで、クーラーバッグはコンテナにつけたフックにぶら下げた。

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フェリー乗り場には確かに船が泊まっていた。昼間の舞鶴にはよく訪れていたので舞鶴港から北海道に行けることは知っていたものの、まさか無計画に北海道に行くことになるとは。6月の四国行きの時に使ったオレンジフェリーでは数台しか見かけなかったバイクも、今回は20台ぐらいに増えていた。Gotoのおかげか、もしくは北海道のポテンシャルなのか。

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ツーリングのルートや目的地は片道20時間のフェリーの中で考えることにした。ツーリングマップルの北海道版は以前に買っていたのでリュックの底に詰めてある。パラパラと眺めてみると景色が良いのは確からしい。景色が良いところを走れば北海道に行った甲斐を見つけられるかもしれないし、そのために1000キロの海路を渡るのも悪くないかもしれない。

本やネットで「北海道はライダーの聖地」みたいな言葉もちらほら見受けられるけれど、担ぎ上げるような言葉は使いたくないので、北海道のことはとりあえず「走っていると良い景色が見られるところ」ぐらいに留めておく。

それにここで過度な期待をするべきではない。もしかするとバイクで船に乗る行為そのものの方が楽しいかもしれない。何せバイクで大きな船に乗り込んでいくのだ。広い駐車場で整列し、順番にタラップを走り、甲板員の誘導で手際よくコンパクトに駐車されていく。これに勝るエンタテインメントはそうそうあるものではない。今回も青色の誘導棒に従い綺麗に駐車することができた。ただの駐車なのになかなかどうして心が躍るではないか。

仕事終わりに夜道を走って夜行フェリーに乗り込むのはさすがに疲れたので、さっさとベッドメイクをして寝ることにした。海自の動画でマットレスを半面外してからシーツを被せると素早く綺麗に仕上がると聞いたので早速実践してみた。ここでの作業が今後20時間の居住性を左右するので普段の仕事より集中してシーツを張った。終わるころにはフェリーは離岸して舞鶴湾を出ようとしていていた。「なんで北海道に行くんだろう」と思ったが、いよいよ取り返しはつかない。真っ暗な海を眺めながら買っておいたビールを開けてちーかまを食べる。3本入りだと思っていたちーかまが実は4本入りだったのでなんだか得した気分になった。北海道って遠いんだなあ。

 

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