TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

スマホ画面と引き換えにタウシュベツ川橋梁と然別湖を手に入れた<北海道カブツーリング4日目>

<前>

 

 旭川の快活クラブで一夜を過ごして朝6時に出発。撤収がない分キャンプする場合より素早く出発できるのはネカフェ泊のいいところだ。朝食は3切れ目のみそぱん。エネルギー源としての優秀さが抜群だ。もし北海道を再訪することがあればきっとまたみそぱんを買うことだろう。ありがとうみそぱん。

今日はまず旭川から150キロ先の上士幌町にある「十勝西部森林管理署東大雪支署」に向かい、そこで林道の鍵を借りてその先にある「タウシュベツ川橋梁」を見る。そして夜はキャンプだ。

事前に考えていた行きたい場所リストの2つ目がこの橋梁である。ただし橋梁へ至る林道の鍵には限りがあるので、ひとまず管理署が開く時間に合わせて出発することにした。念の為にルートを確かめようネカフェの駐車場でスマホを取り出したらうっかり地面に落としてしまった。「ひええゴツいケースにしといて良かった」と思いスマホを拾い上げてみると画面全体が粉砕していた。

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そこから先のことはあまり覚えていない。無心で走り続け、9時前には上士幌町に到着できた。管理署で場所の説明やらサインやらを済ませて林道の鍵とA4の許可証を借りた。許可証はバイクだと掲示できないのでサイドバッグにしまい、鍵はキーチェーンにつけた。これで林道に入れるわけだ。スマホはバキバキだけど。

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林道は二輪車じゃ走るのが大変そうだと思ったけれど、前を走る大型のアドベンチャーバイクは割と快適そうだった。そもそもクロスカブでもハンターカブでもない普通のカブは林道走行を想定していないだろう。自転車より少し早いくらいのスピードで林道を抜け、駐車場のようなところに出てそこからは徒歩で橋梁へ向かう。木々のトンネルの先は眩しくてなかなか様子が見えないし、道には倒木が転がっていて歩きづらい。おまけにスマホはバキバキだし。

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道を抜けると一気に景色が開けた。そこは絶景であった。走行中はなるべく橋梁のある糠平湖の方を見ないようにしていたのもあるが、目の前の景色が想像より遥かに綺麗で笑ってしまう。タウシュベツ川橋梁糠平ダムの水位により沈んだり現れたりする。ただこの年は水位の上昇が遅いようで、9月上旬でも橋梁の周りには草が生い茂り、スマホもバキバキだ。

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橋梁の周りを歩いたり、腰を下ろしてぼんやりしているだけなのに最高に楽しい。橋梁の劣化は年々進んでいてところどころ崩れたりしているし、橋の近くや上部は立ち入り禁止になっている。見るなら今しかないと思いながらほったらかしていたけれど、とにかく最高の景色を堪能できた。あとガルパン劇場版にもこの橋(によく似ているもの)が出てくるので聖地巡礼もできた。訪れる難易度はタウシュベツのほうが高いのに大洗より先に来ることになろうとは。勢いでもなんとかなるものだ。バキバキのスマホも少しだけ許せた。

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時間はお昼ごろ、林道の鍵を返して上士幌の道の駅でお昼を食べつつツーリングマップルをめくる。どうやら近所の高原にデカイ牧場があるらしい。快晴ゆえに地味に暑いこの場所を離れて高原で涼みながらソフトクリーム、即決して高原へ向かう。いつの間にか道は上り坂になり、左右どちらを見ても牛がいる。そしてナイタイ高原牧場に到着。ここもまた絶景だ。おそらく東の方角を見ているはずで、その先には釧路、根室、知床があるはずだった。今回のツーリングではそこまで回りきれないけれど、北海道にはまた来ることになると思いながらソフトクリームを買った。周りがカップルだらけだったのでカブのシートで食べることにした。センタースタンドがついているバイクはこういう時座れるから便利だ。どういう時なのかは知らんが。

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キャンプ場には日が沈む前に到着することができた。今回泊まるのは「然別湖北岸野営場」というストイックかつ分かりやすい名前のキャンプ場だ。野営場なので設備は炊事場とトイレのみ。電気はない。ゴミ箱も無し。そして圏外。最高にちょうどいいキャンプ場だ。この時は私以外に2人しかおらず、夜になれば物音一つしない真っ暗な闇を味わえた。料金はたったの250円。夕方に管理人が来るのでそのときに払いに行くスタイルのようだ。

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設営も上手くできた。このときばかりは焚き火で遊びたくなったけど、我慢しながらランプの炎を少しだけ大きくした。それでも十分楽しい。明日電波が拾えたら、新しいスマホを注文しよう。今度はガラスフィルムも一緒に買うんだ。

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毎晩北海道限定のサッポロクラシックを飲んでいる気がする。そしてスープを作り忘れて普通にお湯で作ってしまった。正しくは湯切りのお湯を使うらしい。

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それにしてもクッチャロ湖といい然別湖といい北海道の湖はどれも綺麗だ。きっとこれが本当の湖なんだろう。うちの近所に琵琶湖があるけれど、実は琵琶湖は湖じゃなくて河川だ。みんな琵琶湖に騙されてはいけない。

<つづき>

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