TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

ご意見番ババアを見つけたら指を折り舌を抜け、息の根を止めたとて奴は転生するぞ

「推し」がいると人生は豊かになる。推す相手が人であるか、あるいはモノやコンテンツであるかは関係ない。ただ存在するだけで頑張ったり、希望を抱いたりできるのが「推し」の力であり、「推し」の恩恵を受けるために僕たちは彼、彼女、作品、バンド、場所を愛する。例えば推しがアイドルなら現場を訪ね、コンテンツを買い、SNSで誉めそやす。ファンサや楽曲、グラビアの恩恵があればに報いるために貢ぎ、そしてまた推す。

推す形は人それぞれだし、それをとやかく言うのは無粋なことだ。しかし一つだけ注意しなければいけないことがある。決して推しに注文を付けてはいけない。「〇〇すべき」だの「▲▲したほうがいい」だの、自分の価値観や願望を「推しのためを思って」などとうそぶいて押し付けることだけはしてはいけない。

推しとファンの関係性は双方向に見えるけれど、超えちゃいけないラインは確かに存在している。そもそも推しに対して意見を言おうと考えること自体がおこがましい。存在しているだけで必要十分なのに、それを自ら揺るがそうという発想自体が狂気である。

ファンが(なぜか奴らは古参を名乗ることで正当性を主張することが多い)ときおり炎上する際の原因の一つがこの「推しに対する越境行為」である。イラストレーターに絵のアドバイスを送ったり、SF作家にアイデアを送ったり、SNSの言動やファンサのやり方に注意したり、いわゆる「お節介」が推しのメンタルやモチベーションをいかに傷つけていることか、そしてどれだけ推しの「界隈」を疲弊させていることか。

なぜかこういう連中はどのコミュニティにもいる。「イキリキッズ」「マウントジジイ」「ご意見番ババア」と呼び方は異なるが、やっていることは大して変わらない。総称としては「厄介」が適切だろうと思う。仮にSNSで炎上したところで奴らは自分たちの正当性を信じいくらでもアカウントを作るし、例え出禁になろうともその周囲でしぶとく生き残ろうとする。何ならアンチに転向してまで界隈に固執し続ける。そして最後にはもののけ姫の祟り神のようになって災厄をもたらす。あな恐ろしや。厄介は地獄を輪廻しておる。

とにかく厄介を見つけたら指を折って舌を抜くしか対処のしようがない。かといって自警団みたいな徒党自体が厄介に転じるのもよくある話だ。「好き」の感情一つがこじれてここまで濁ってしまうと、さすがにみんな疲れてしまうだろう。

今思いつく唯一の解決策は、ネテロの修行を参考に「気を整える→拝む→貢ぐ→褒める」これを1万回繰り返すことだけだ。お百度参りみたいなもんだ。とにかく推しには貢ぐことが肝要である。それ以外は邪道といっても差し支えないくらいの真理である。

 

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しまなみ海道と尾道ラーメンと焼豚玉子飯<四国カブツーリング4日目>

<前>

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大久野島の朝、たっぷりの水で顔を洗い、湯を沸かしてスープを飲む。今日はしまなみ海道の終点である尾道でラーメンを食べ、そのまま今治に引き返し焼豚玉子飯を食べ、西条の大阪行のフェリーに乗る。だから朝食は控えめにしておかねばならない。

うさぎたちはこの日も我が物顔で島を跳梁跋扈している。だが人口比で言えば彼らの島だし、勝手に寝泊まりしているのはこちらの方なのでとやかくいう権利はない。フェリーに乗る間際に彼らをバイクの足元から追い払うのは少し苦労した。

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尾道にはたっぷり寄り道をしながら3時間程度でついた。因島から本州へはせっかくなので渡船で渡ることにした。大人100円、バイク10円。前後対称の船が因島と本州を数分間隔で往復している。どれだけ短い航路でも船に乗るのは楽しい。上陸する瞬間は新しいマップを解禁したような感覚だ。

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尾道は何度も訪れているがいつ来ても楽しい。特に坂道が良い。バイクなので走れないところもたくさんあるが、見上げるだけでも十分に楽しい。尾道を舞台にした映画もあるらしいけれど、僕にとってはかみちゅの舞台としての尾道だ。あとお好み焼きの中村さんちとしての尾道

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昼食は海沿いを東に10分ほど走ったところにある中華屋「萬来軒」のラーメンとチャーハン。尾道ラーメンの特徴なんて知らないけれど大変美味しい。足りないところも余るところも無く、これで完成だという味がする。ホールのお姉さん方がピンマイクをつけて注文を通すのも面白い。平日の昼なので地元の人達ばかりだった。観光客向けの立地でもないからなあ。

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昼食を済ませてついに帰路につく。しまなみ海道を通り、今治焼豚玉子飯を食べて、上陸地点に戻らなければならない。一度通った道を引き返すのはいつでも寂しいものだけれど、ところどころで面白いスポットに寄り道しながら走っていたので今回はそこそこ楽しかった。謎の人形が公民館の前に並べてあり、そのうち1席だけが空いていたので一緒に撮らせてもらった。走りながら見たときはなんとも思わなかったのに、近づいてみたら全部人形で腰を抜かすかと思った。SCPか何かだろうか。

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目一杯しまなみ海道を走り抜けて今治についた。焼豚玉子飯を食べる店の開店時間まで少し時間があったので港でぼんやりしていた。停泊していたのは海保の巡視艇しかなかったけれど、ここから瀬戸内の島々に船が出ているらしい。予習なしで訪れると割と真剣に街の紹介を調べてしまう。今治城の前に今治造船を作った人の像も飾ってあったし、市役所の前に大きなスクリューも飾ってあった。今治は船の街なのだ。

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よし焼豚玉子飯を食べるぞ。これは文字通り焼豚に目玉焼きが乗った飯である。美味しいに決まってる。B-1グランプリにも出たことあるらしい。男子中学生は毎日これでも食べられるだろうな。この時点で尾道のラーメンとチャーハンを消化しきれていなかったので今治に向かう道中は苦しくてしょうがなかった。でも食べたかったんだからしょうがない。

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帰りのフェリーは来たときより客が減っていて、バイクは2台しか載っていなかった。徒歩客用のロビーは無人だし、船内は相変わらずガラガラだし、贅沢というよりもったいない感じのほうが強い。

関西から四国に行くにあたって西条は愛媛、高知エリアのアクセスに抜群に便利なのでこれからも使うことになると思う。高知の四万十川や太平洋はぜひ行ってみたい。でもこのツーリングから一ヶ月後に大雨でひどい目に遭うとは夢にも思っていなかった。カルストの牛たちは大丈夫だろうか。四万十川も溢れてやしないだろうか。これを書いている時点でも中四国には警報がバンバン出ている。お気に入りの長野や岐阜もひどい目にあっている。疫病と自然災害ときたら次は宇宙人でも攻めてくるんじゃなかろうか。本当に勘弁してほしい。再訪したときはたくさんお金を使うことにする。推しには金を出してなんぼである。

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 良い地図は読んでるだけで楽しいな。

ツーリングマップル 中国・四国

ツーリングマップル 中国・四国

  • 発売日: 2020/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

<おわり>

スピッツが歌うウサギのバイクってドゥカティのことだと思う。それで走るしまなみ海道も最高だろうな。<四国カブツーリング3日目>

<前>

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目が覚めるとベッドが広くなっていた。それは夜中にGなヤツが現れて泣きながらフロントに助けを呼び部屋を変えてもらったからだ。宿代返せと思わないこともなかったが、古いビジネスホテルと知ってこれまでも使ってきたのだから、この程度で喚いても仕方がない。そもそもここを定宿にしている理由は朝食のバイキングが美味しいからだ。ここで挽回してくれれば問題ない。朝食会場が開くと同時に部屋を出て2階に降りる。

会場の前には献立と産地が書き出されている。毎度のことながら良くもまあここまで豪勢な朝食を用意してくれるものだと思う。普段のカロリーメイトサプリメントを朝食にしている自分が馬鹿みたいだ。ご飯とおかずをそれぞれ1回ずつお代わりして、牛乳は3杯飲んだ。毎回こんな調子なのでいつも「食べ過ぎたな」と思いながらチェックアウトの準備をすることになる。

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チェックアウトを済ませてさっさとバイクに向かおうとしたら、後ろからフロントの方が「昨晩はご迷惑おかけしたようで申し訳ありません」と追いかけてきた。こういうこともある、気にしていないと答えておいたが、むしろ自分に言い聞かせているような気がした。ホテルだろうとこういうこともあるのだ。

無心でバイクに荷物を運ぶと、シートの上にバナナと缶ジュースと紙片が袋に入れた状態でおいてあり、紙片にはよくありがちな見送りの文言が書かれていた。それを見て無性にやるせない気持ちになってしまい、改めてフロントに向かい「大変ありがたいのですが生ものを積んで走るのは怖いです」と言って返してしまった。善意とはいえ受け取れないときもある。

今日の目的地はしまなみ海道大久野島である。しまなみ海道といえば愛媛と広島の間の島々を結ぶ橋だ。この日は途中の大三島から更にフェリーで大久野島に渡ってキャンプ泊となる。

橋は原付でも歩行者や自転車と同じように渡ることができるし、通行料も1回100円とか50円とかでとにかく安い。小銭の準備が面倒だったので50円の料金所でも100円を放り込んでしまったが、推しに金を捧げることは善行とされているのでこれで良い。

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この日は最短でも100キロ程度と余裕のある行程だったので、橋が架かっている島々はすべて一周しながら巡ることにした。島々の間隔はそれなりに狭いのに大きな船が行き交っているし、何なら造船所もあちこちにあるのでどこを見ても絵力のある場所だった。

しまなみ海道のサイクリングロードは白線の横に青い線が引かれているし、橋の出入り口にはその島の地図が置かれているのでわざわざ手持ちの地図を確認せずともスムーズに走ることができる。それに寄り道してもすぐにもとの道に戻れるので遊びがいがある。

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島々から見る海も良いけれどそれぞれの島の暮らしの景色も見ごたえがある。呉服屋の看板や使われていないネオンサインやら、こういうところを見つけるたびに「これが個性だよな!生活だよな!」と妙に感動してしまう。

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昼食は確か穴子丼だったが、写真は撮り忘れた。海沿いを走ることに夢中になりすぎていた。

愛媛県最北にある大三島からフェリーでキャンプ地の大久野島に向かう。戦後までは陸軍の毒ガス工場として地図から消され、最近は野生のうさぎがたくさんいる島として観光地になっている。休暇村が置かれていてリゾート気分も味わえるが、毒ガス工場の遺構や資料館もある不思議なところだ。

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上陸するとすぐにうさぎに取り囲まれる。エンジンを吹かしてもどかないものだからキャンプ場に行くまでにずいぶん難儀させられた。奈良の鹿並に強欲な奴らだ。

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この島に来るのは2度目だったので遺構や資料館には行かずキャンプ場で過ごしていたが、過去の写真を見ていたら重厚な建築群ばかりだったので改めて見ればよかったと少し後悔した。資料館には当時の工員の給与明細なんかも展示してあって毒ガスだけでなく島そのものの歴史を覗くことができる。

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大久野島のキャンプ場は海沿いにあり、食料こそ上陸前に買い込む必要があるが自販機はすぐそばにあるし、休暇村の温泉も入りに行けるのですこぶる快適だった。酒がぬるくなっても冷えたコーラで割ればすぐにハッピーになれる。

キャンプ場の周りは膝丈ぐらいのフェンスで囲われており、一見するとウサギが入ってこないようになっているが、奴らは穴を掘ってガンガン侵入してきていた。テントの前や酒を飲んでる僕の前にもお構いなしにやってくるが、あげられる食べ物もないのでとりあえず話し相手になってもらった。コロナの時勢でもあるので極力人と話さないようにしてきたが、ウサギ相手なら余計なことも言ってこないし自粛警察にもならないので安心だ。

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この日はカルストで見損ねた星空を拝むことができた。海抜ゼロメートルの割にはなかなか悪くない。ウサギがたまに目の前を駆け抜けていくのもよく考えれば非日常の光景だ。

欲を言えばコンデジで星空を撮るには限界があるのでそろそろ新しいカメラが欲しい。でもこれを書いている7月の時点でも例の10万円がやってこないので、きっと6年使い続けたならいっそ潰れるまで使えということなのかもしれない。それにそろそろ家に帰る頃合いだ。バイクのオイルだって交換してやらなきゃいけないし、大変残念だが仕事をしなければ旅の資金も捻出できない。

この日はスピッツのウサギのバイクを聞きながら眠った。幸いなことにうちのバイクは壊れそうにない。さすがスーパーカブである。

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<次>

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下灘駅に電車は止まりません。なんでか止まらんか明日まで考えといてください<四国カブツーリング2日目>

<前>

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四国カルストの上で朝5時に目覚める。標高が1400メートルあるだけあって寒い。そしてテントは盛大に夜露で濡れている。こういうときにダブルウォールのテントにして本当に良かったと思う。朝食やら荷造りはさっさと済ませ、テントだけ干すために建てたままにして、またあたりを道を走ったり写真を撮ったりしてしばらくカルストを独り占めにした。当たり前のように雲海を見ていたけれど、これが全面に広がっているのはなかなか雄大だ。f:id:tannymotors:20200706233314j:plain

f:id:tannymotors:20200706233339j:plain牛が牛舎から出てくるのを見ながら出発したのは6時30分ごろ。キャンプがメインならここから火をおこしたり朝食を作ったりするんだろうけれど、知らない道を走りたい欲のほうが勝っていたのでこの日は誰よりも早くキャンプ場を出た。この日の目的地は松山市。大洲で温泉に入って下灘駅に寄って松山入り。宿は定宿にしているビジネスホテル。距離は約150キロ。カブに乗って疲れない程度に移動できる距離はこれぐらいが丁度である。

ルートは四国カルストを西に抜けて国道197号線に合流して大洲入り、川沿いに海に出て国道378号線を松山まで進む。月曜日だったので一気に交通量も減ってすいすい走り抜けることができた。四国はバイクで走るには最高の土地だ。

昼食は日本海に出てすぐのエリアで見つけた食堂の天丼。「伝説の天丼」だか「噂の天丼」だかそんな名前が着いていたが、揚げたての天ぷらが乗っていたのでとりあえずきちんとした天丼だった。f:id:tannymotors:20200707000219j:plain

灘駅には午後1時ごろに到着。「海に一番近い駅」みたいなニックネームが着いていたり、いわゆる映えるスポット扱いされているが、個人的には青春18きっぷのポスターの駅というイメージ。無人駅だしホームも入り放題になっていた。貢げそうな場所が見当たらなかったので自販機で飲み物を2本買ってお茶を濁した。撮影していたら列車が来たので一応撮っておいた。これを「電車」と呼ぶと「汽車だろ!」という罵声と共に後ろから鉄オタに殴られるので鉄道は扱いが大変むずかしい。

灘駅はホームの前が国道、そして海という立地なので、ベンチどころかホームのどこにいてもオーシャンビューが楽しめる。そして下灘駅から見える青島は猫がべらぼうにいる島とのことだ。夢を見させててくれるじゃないの。

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お上りさん気分全開であるが実は下灘駅に来るのはこれが2回目だ。ただ初めてきたときは車に乗っていたので気づかなかったが、この海沿いの道で感じる潮の香りは今まで走った瀬戸内や日本海とはどこか違うような気がした。海の向こうが山口県だからかもしれないし、嗅覚が狂うほど楽しかったからかもしれない。そしてこの道も走りやすく見通しも良い素晴らしい道だった。

楽しい道はあっという間に走りきって、3時ごろには松山に到着してしまった。ホテルに荷物を入れてそこから市内をぶらぶら走る。松山は出張で何度も訪れているし、いまさら新発見も何も無かろうと思ったら道後温泉が改装中で、足場の組み方は寺社仏閣の修繕工事のようでびっくりした。それに人が全くいないし周囲のホテルはことごとく休業中だった。平日とはいえほぼ無人で少し怖い。f:id:tannymotors:20200707001629j:plain

あともう一つの新発見が、道後温泉から徒歩5分のコンビニから見える全フロア全部屋風俗店のビルである。1階の手前が案内所。その奥と上のフロアは全部風俗店。建物の名前は「道後ヘルスビル」。風俗店って本来わかりにくい場所にあるものかと思っていたが、風俗専門ビルだなんて合理的と言うべきなのか何なのか。観光旅館やホテルに隣接してるのでデリバリーもやってるんだろうな。そして案内所の前のキャッチは気の毒なぐらい暇そうだった。おのれコロナめ。f:id:tannymotors:20200707001957j:plain

夕飯は愛媛大学のそばにある「さくら食堂」のチキン南蛮定食。チキン南蛮界隈ではここが一番美味しいと思っている。泊まり出張で松山に来たときは必ずこれを食べているから、文字通りの定食だ。これが胃もたれするようになったら衰えを実感してさぞ悲しくなるだろう。f:id:tannymotors:20200707002805j:plain

ちなみに宿も松山出張定番のビジネスホテルにしたが、夜中にGなヤツが出て部屋を変えてもらう惨事になった。古い宿だから仕方と思うし、部屋はフロアごと変えて1ランク上の部屋にしてくれたけれど、正直泣きそうになった。キャンプしてるくせに虫は全くダメなのだ。悲しいどころの騒ぎではない。凄惨な夜であった。とりあえず松山はしばらく行かないようにする。

<つづき>

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Uber Eatsはどうしてダサくなった?

京都でもウーバーおかもちを背負った出前持ちが市内を走り回る風景が当たり前になってきている。サービスが始まったばかりの頃は珍しがって数回使ってみたものの、結局コンビニのほうが早いし安いので、今ではほとんど使わなくなってしまった。

それでも残業中にコンビニまで行く気力が沸かないときは夕飯を運んできてくれて大変助かった。「出前って便利なシステムだよな」と当たり前の感想を噛み締めながらハンバーガーをスプライトで流し込んでいたが、それも今や昔の話である。

「美味しい食事を運んできてくれる大正義システム」のはずなのに、残念ながらもうウーバーのアプリは消してしまったし、配達員を見かけても「邪魔だなあ」やら「危ないなあ」やらネガティブなイメージしか湧いてこない。一応それなりに理由はある。久しぶりに見出しタグを使うぞ。

1.Uber Eatsの配達員がダサい

うちの最寄りのマクドナルドの周りには常時3,4人の配達員が注文待ちでたむろしていて、自転車やバイクは路駐だしバッグを地面に置いたりしてるし本人たちは集まってるのに無言でスマホを弄ってるし。毎日この光景を見ていてなんだかうんざりしてしまった。もともと「海外のサービスだよ!クールだよ!」みたいなスタートアップ感をゴリゴリに出しながらやってきたサービスなのに、蓋を開ければ荷受け待ちでぼんやりしている奴らが飲食店の前に現れただけだ。しかもみんなカバンに大きく「Uber Eats」なんて描いてあるんだからサービス自体もクールに見えるわけがない。

 

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Twitterで拾った画像だけれど、一部の人はカバンをデコったりしているらしい。バニラトラックでもさすがにここまできつい装飾はしていない。夜の配達のときは安全かもしれないけれど、それ以上に「クールなワークだろ?」感が透けて見えて嫌悪感を増長させてしまうのが悲しい。もちろん「クールだ!」って思う人もいるのかもしれないが、この辺は自己満足の世界だし、バイクにステッカー貼りまくる自分がとやかく言えたものでもない。

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それとツイッターで店や配達先の悪口とか見ると「よくこれで炎上しないな」と関心さえする。徹底して「配達員には業務委託してるだけだから関係ないっす」で通せる「Uber Eats」の顔の皮はチタンとかでできているのだろう。恐ろしいメンタルだ。

2.Uber Eatsの配達員が危ない

配達員の大半は自転車かバイクのようだけれど、自転車の配達員は飛び抜けて危ない。なんせ物理的に飛び抜けてくる。狭い路地を飛ばしまくるし何故かイヤホンをつけてるし歩道を走るし逆走もしてくる。たいていの配達員が安全に配達しているのは想像できるけれど、目の前に逆走のおかもちピスト野郎が現れたらそんな想像は現実の恐怖に塗り替えられてしまう。

下の画像は京都新聞からの引用だけど、この写真のエリアの歩道を自転車は走れない。それでも奴らは突っ込んでくるのだからそりゃあ怖いよ。

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www.kyoto-np.co.jp

あと京都の場合大学生が多いからか、それともウーバーイーツに心酔しているからか、自転車の場合スポーツ系の自転車を使っているところをよく見かける。ママチャリより早いのはわかるけれど、前傾姿勢でカバンの中身は無事なのだろうかといつも不安になる。汁物頼んだら大変なことになるんじゃないか。

3.Uber Eatsのシステムがきな臭い

 「ウーバーイーツで稼ぐ」というシステムは雇用契約じゃなくて業務委託である。だから働く側にとっては労災もへったくれもないのが一番怖いし、これが新自由主義の最先端でクールな仕事といわれてもそれは資本家の理論である。企業は雇用する負担もなく業務中のリスクや設備投資は労働者に丸投げできるのだから、つまるところ超効率的手配師家業だ。配達員になるよりも投資するほうが絶対に稼げるだろう。

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株主優待がウーバーカバンなら間違いなく株買っちゃう。

キャッチコピーとか合言葉とかあるんかな。「ウーバーしようぜ!」みたいなやつ。あと「ウーパーピース」とか。これネタの資源として質も量もピカイチだわ・・・

四国カルストと四国山地があんなに楽しいところなんて誰も教えてくれなかった<四国カブツーリング1日目>

<前>

朝6時。愛媛県西条市東予港にオレンジフェリーで上陸。今日は四国カルストを目指す。まずは西条市から高知に向かって伸びる国道194号線を走り、愛媛と高知の県境である寒風山へ向かう。日曜とはいえ早朝なので道は空いていて対向車もほとんどない。ただ見かけたバイクはなんとなくオフ車が多い気がした。ツーリングマップルを見返すと林道の記載が多かったので、四国山地は山遊びに向いてるところなのかもしれない。

「旧」寒風山トンネルを抜けて高知に入り、寒風山登山口から西に進む。時刻はここで8時を過ぎたぐらい。登山口というだけあって駐車場にはそこそこ車が止まっていて、山登りピープルが身支度をしていた。四国山地は千数百メートル級の山やら、西日本最高峰やらがあるらしい。寒風山登山口から西の道路は「UFOライン」と「石鎚スカイライン」と呼ばれている。名前はともかく四国山地を縦走するわけなのでここでようやくツーリングしているバイクを見かけることができた。それほど道幅があるわけではないものの、バイクで走る分には申し分ない。そもそも崖の方に落ちたら間違いなく死ぬので飛ばす気さえ起こらない。f:id:tannymotors:20200701200513j:plainトンネルを抜けてこの景色が眼前に広がるのだから笑わずにはいられない。山腹を走りながらずーっとニヤニヤしていた。休憩のときに「これ以上笑うようならフルフェイスをかぶったほうがいいな」と反省するくらいの楽しい道だった。f:id:tannymotors:20200701201100j:plain道中には岩盤を彫り抜いただけのトンネルがあったりしてタモリさんならうまいこと解説してくれるだろうと思った地理は勉強したけれど地学はよくわからない。だから目的地のカルストがどういう意味なのかも理解していなかった。とりあえず標高が高いので景色がいいのだろう、ぐらいにしか思っていなかった。黄金の国だって存在してなかったわけだし旅行の目的地なんてそれぐらいで選んだほうが丁度いいのだ。f:id:tannymotors:20200701201756j:plain山道を下った時点で愛媛側に戻ってきたので、面河川と国道440号線に沿って再び高知を目指す。梅雨の長雨に突入する直前ぐらいに訪れたので標高が低いとやはり暑い。それでも川沿いの道は走っているだけで気持ちだけは涼しい。

国道440号線で高知入りするには3キロほどの地芳トンネルを抜けることになる。このトンネルの真上がちょうど四国カルストなので、かなりダイナミックな立体交差をしていることになる。そこからもう少し走ると梼原町に入るので、ここで昼食と食料の買い込みを済ませる。f:id:tannymotors:20200701203257j:plainかき揚げ冷やしうどん。店の前にバイクが停まっていたから入っただけなので店の名前も分からないままである。でも四国のうどんは全部讃岐うどん的なテイストなので好きだ。

店を出て適当に坂を登り続けると四国カルストに着いた。正直カルストの景色が凄すぎて細かい道は忘れてしまった。四国カルストの道は山腹ではなく山脈を走っている。それに牛がいる。あとゴツゴツした石が飛び出ている。実に奇妙な景色だ。バイクに「赤べこ」とか名付けたのに目の前に本物の「ベコ」がいるのはなんとなく恥ずかしい。f:id:tannymotors:20200701203658j:plain

f:id:tannymotors:20200701203751j:plainそれでも大変な絶景には変わりないので、早々にテントを設営してからもう1度同じ道を走ったり牛を眺めたり写真を撮ったりして大いにはしゃいでいた。夕方には大いにガスって来たものの、それまでに十分カルストを堪能することができた。f:id:tannymotors:20200701204131j:plain

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f:id:tannymotors:20200701204439j:plainいわゆる「優勝」もできた。牛を見ながら牛肉を食べるのがレクター博士みたいでちょっと変な気持ちになったけれど、それを乗り越えてこそ楽しめるところもある。と思う。たぶん。

そしてこの日は7時に寝てしまった。キャンプツーリングの場合日の出と日の入りが睡眠と起床にリンクしてしまうのでしょうがないとはいえ、星空を見損ねたのが残念だった。でも牛と写真を撮りながら「また来るだろうな」と確信していたのでそのときに眺めることにする。果たして長野を超える星空は見られるのだろうか。そしてやっぱり山の夜は寒かった。そういえば四国って雪降るのかしら。

<つづき>

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旅は移動中こそが楽しい。だからバイク旅は全部が楽しい。<四国カブツーリング0日目>

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1週間の休暇を得たが、特に何もすべきことはなかった。こういう時はバイクでぼんやりと走るに限る。

目的地はどうするか。九州には去年から行きたいと思って地図も買っていたけれど、梅雨入りもしていたし雨も降りだしていたので、今回はその手前にある四国を走ってみることにした。

週間予報を確認して、滞在期間は雨が降り出す前日までとした。四国までのルートは大阪南港から愛媛に出ている夜行のフェリーだ。宿はキャンプで2泊、ホテルで1泊、フェリーで2泊。四国にいるのはおよそ丸3日。
最初はどこまで回れるか見当もつかなくてフェリーの中でツーリングマップをにらみながら唸っていたけれど、案外スムーズにバイクは走ってくれた。四国カルストで牛を眺め、しまなみ海道は往復し、今治で焼豚卵飯を食べ、下灘駅で自撮りも頑張った。

四国も仕事ではいくらでも訪れていた土地だったので、どこかでうんざりしたりしないか心配だったけれど、フェリーで上陸しバイクで走る行程のおかげでそれほど精神が参ることはなかった。

旅の最初のクライマックスは、フェリーへの乗船だった。
受付を済ませ、「東予行き」の札をミラーにぶら下げ、小さなカブで大きなフェリー乗り込んでいく。なんだかクジラに飲み込まれるような感じだった。
大型トラックやトレーラーの隙間にバイクを滑り込ませると、甲板員の人たちがあっという間に車止めを差し込んでバイクを固定してくれた。土曜の夜の便だったけれど、バイクは10台もいなかった。梅雨入りしたばかりだし、誰もまだ出かける気にはなっていないのだろう。

甲板からエレベータで客室の階層にあがると吹き抜けのロビーに出た。まるでホテルのようだと思ったが、どうやら南港~東予間のオレンジフェリーは最近リニューアルしたらしく、どこもピカピカで一番安い客室でさえベッド付きの個室という豪華さだった。もちろん大浴場もレストランもついている。

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10年ほど前に神戸から香川へ向かった際に乗ったジャンボフェリーはカーペットに雑魚寝だったが、オレンジフェリーに限って言えば、夜行の便で船中泊というよりホテル付の船に滞在するような感覚で、なんだか寝るのがもったいないくらいだった。


夜10時に出航の予定だが、乗船自体は夜8時からできた。おかげで乗船して風呂に入り食事を済ませてもなお、船は南港に停泊したままだった。


到着予定は翌朝6時。一応8時まで滞在しても良いことになっているが、やはり船のハッチが開くと同時に走り出すほうがおもしろそうだ。イメージは映画プライベートライアン冒頭の上陸シーン。スティーブン・スピルバーグの傑作である。ろくでもないことを考えながら早々に寝た。少しだけ船のエンジン音が聞こえた。燃費はどれくらいなんだろう。

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翌朝船が愛媛に到着し、車両甲板へ降りてよいとアナウンスが流れると同時に、ヘルメットを片手に持った奴らが各々のバイクのもとへ向かう。これからおよそ800キロ、赤ベコ号と名付けた赤いカブで四国と瀬戸内を巡る。とりあえずカルストに向かうが、その先のルートは決まっていない。去年の今頃は長野にいたが、四国はどんな景色が見られるか。車両用のハッチが開いて船内が明るくなる。MG42はなさそうに見える。ハッチで滑って転ぶのが怖い。去年は右肘がえぐれたから、なんとしても五体満足で帰りたい。

 

<つづき>

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