TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

「エウレカ!」と叫んで伊集院光はピーナッツバターを作り僕は爪の上で爆竹を誤爆する

頭の中では分かっているものの、体験してみないと理解しきれないことが世の中にはたくさんある。火に手をかざすと熱いし煙は目に入ると沁みるし尻餅をつくと痛い。そうやって今でも身をもって日々いろんなことを学んでいる。

音には速度があることを学んだのは高校生の時だ。放課後に教室から野球部の練習を見ていたら、バッターがヒットを打ってから1秒ほどして「パカン」という乾いた音が聞こえてきた。音の速度はおおよそ300m/sであると授業では習っていたけれど、ヒットの音がバッターのスイングから遅れて聞こえてきたあの瞬間まで、僕は音の速さについてきちんと理解できていなかった。そしてあの瞬間に間違いなく自分が音の速度について理解することができたという快感のようなものがあった。これが「エウレカ」なのだろう。

伊集院光の深夜ラジオで、柴田理恵からピーナッツバターの作り方を教えて貰ったという話を聞いたが、あれも「エウレカ」だったように思う。調べたらもう2年前のトークだった。とりあえず引用。

sekasuu.com

伊集院光柴田理恵さんが、とにかく「ピーナツバターを手作りすると超美味い」って話を、昔からずーっとしてて。

タモリさんに教わったって言うのね。タモリさんに教わったんだけど、単に普通に売ってるピーナッツあんじゃん。バターピーナッツとかじゃなくて、ただ普通の落花生、それをフードプロセッサーの中にザッとただ入れて、それをウィーンガガガッてやるだけ。

それを延々とやってると、まず粉々になってくんだって。サラサラになってくだけで、「え?なにが?ピーナッツバターになんないじゃん」って感じがしばらくする。

「だけど、突然ピーナッツバターになるから。それが超美味しいの」って言うの。で、忘れた頃に柴田さんが、朝のラジオに持ってきてくれて。で、食べたら超美味いわけ。

「俺もじゃあ、作ってみますわ」って、で、去り際に柴田さんが言ってたのは、「必ずあなたは、一度私を疑います」と(笑)「でも、そこでフードプロセッサーを止めずに、ボタン押し続ける、回転させ続けると絶対、ピーナッツバターが現れるから」っていうことを言って、女は去っていったわけですよね(笑)


謎の笑みをニヤリと残して、去っていったわけですね、柴田理恵が(笑)で、家でそんなこと言ってっけど、どうなんかなぁと思いながら買ってきて。それも、千葉八街に住んでるスタッフがいたから、そこで「八街の落花生買ってきて」って、買ってこさせて作ったら、もう言った通り。あの謎の女の、謎のほほえみが残した通り。最初、入れてガーってやってんじゃん。そうすると、しばらく粉々になって、何も起きないの。

それも、3~4分何にも起きない。粉になるだけ。「野郎、だましやがったな」って思うんだけど、「はっ、そう言えば!」って(笑)薄く幻のように柴田理恵が現れて、「私を信じて回し続けなさい。そこにピーナツバターが現れるから」「本当かよ…嘘だろ?おい!」って、急に(笑)急にピーナツバターになんの(笑)

「そんな粉になるだけで、ピーナッツバターが…嘘だろ?!」って(笑)で、そのピーナッツバターが美味いのと甘みと渋みみたいな。渋皮の残し度合いで、渋みが調整できるのと。さらに、甘みまんまでもいいんだけど、ちょっと蜂蜜入れるといい甘さになる。その塩梅の調整で、超美味いピーナッツバターができる、と。

やはりこれも美味いピーナッツバターづくりを身をもって学ぶことで得た「エウレカ」だ。とにかく身をもって学ぶことの理解度は机上で学ぶよりもはるかに高い。「百聞は一見に如かず」ってことわざも行きつく先は「エウレカ」だ。

小学生のころ、理科の実験で使った豆電球をスタンドライトの端子に電線でつないだら目の前が一気に眩しくなってフィラメントが燃え尽きたことがあった。爆竹を分解しての火薬を集めていたら爪の上で火薬が燃えて爪が真っ黒になったこともあった。この辺はただ驚くばかりでエウレカどころではなかったが、今なら何か学びが得られるんじゃないだろうか。ホームセンターに売ってる農薬と灯油で爆弾が作れると聞いたことがある。今でも学びは続いている。「エウレカ」を求めよ!