∀ガンダムが腰を抜かすほど面白い。黒歴史という言葉を生んだ作品であり、これ自身が黒歴史と言われることもあるらしいが、ガンダムシリーズであることやロボットアニメであることを差し引いても余りあるくらいに面白い。全５０話のうち、３０話まで一気に見てしまった。銀河英雄伝説以来の通し上映パーティだ。
黒歴史や神話になった宇宙世紀、月で暮らす人々が望む地球への帰還、地球で暮らし続けた人たちの拒絶、月から先に地球へ降りて地球人として暮らそうとする主人公、それよりも昔に地球へ降りた月の人。歴代ガンダムとのつながりはないのに結局人は争ったり和解したりする。それにみんな馬鹿だしよく泣く。地球に降りてきた月の女王ディアナが、世代を超えて地球で待ち続けたキャンサーとムロンに声をかけるシーンは彼らと一緒に泣いた。宇宙に来たのに「地球に帰る」と言い出した大人のホームシックは心に染みた。ポゥ中尉の部下にはなりたくねえ。仕事中に泣くなよ。
メカデザイン的には歴代ガンダムの中でこいつはダントツでダサい。08小隊シリーズのEz8に比べれば輪ゴム並にダサい。ホワイトベース的な船なんて昭和の箱だし、モビルスーツの名前はフラットにスモウだ。ガンプラを売ろうという気概がまるで感じられぬ。
それでもストーリーにはあっという間に引き込まれるし、音楽は菅野よう子謹製だし、OPは西城秀樹、EDは谷村新司という妙な豪華さもある。放送当時は小学生で、確か平日の夕方に少しだけ見ていた気がする。ガンプラも作ったけれど、当時でさえザクが一番格好いいと思っていた。なんだよあの丸い頭は。
