年末年始は実家に帰ることにしている。地元の友人に会うわけでも初詣に出かけるわけでもないが、新年を迎えるときくらいは家族と一緒にいたほうがいいだろうとなんとなく思っている。だから新年も実家で迎えることになった。
実家に戻った日の夜、風呂が沸いたから先に入れと母に言われたのでいそいそと風呂に入った。脱衣所に箱買いしたバブがおいてあったのでありがたく湯船に放り込み、使い慣れないメリットで髪の毛が軋みつつも肩まで浸かって体を温めた。
風呂から上がって実家の標準飲料である麦茶を飲んでいると、母に「ずいぶん長いこと入ってたなあ」と言われて少し驚いた。そういえば実家にいた頃は風呂があまり好きではなかった。湯船でわざわざ熱い思いをするのが嫌で、体を洗ったら湯船には少し浸かる程度で済ませていたのだった。温泉やサウナが好きになったのは2019年。嗜好の変化が入浴時に明らかになるとは思いもしなかったし、息子のかつての入浴時間を覚えている母の記憶力も末恐ろしいものだ。
年が変わる瞬間、いつも父と弟は揃ってジャンプして「年越しの瞬間地球にいなかった」というギャグをかます。その騒ぎを見ながら新年が来たことををぼんやりと感じている。