TANNYMOTORS

一度人を食らった熊は、その味が忘れられず再び人里に降りてくるという。つまりバイクの日記です。

映画『アウト・オブ・サイト』かっこいいなあ、ジョージ・クルーニー

ある日飲み屋でジッポーをカウンターの上に置いていると、「ジッポーやないか!かっこええなあ!」と言いながら僕のジッポーで奇妙な火のつけ方をして遊び始めた人が、「こうやってジッポーをつけるジョージ・クルーニーがかっこいい映画があるんよ!」と言ってこの映画を勧めてくれた。それが「アウト・オブ・サイト」だった。

ジョージ・クルーニー青髭なのにかっこいい

基本的には「ジョージ・クルーニーが銀行強盗で服役していたけど脱獄してデカイ仕事をするぜ」という映画だ。でも脱獄時に一緒に車のトランクへ突っ込まれるFBI役のジェニファー・ロペスといい感じになっちゃったり、お互いそれがまんざらじゃなかったり、結局セックスしちゃったり、でもその時にジェニファー・ロペスジョージ・クルーニーを逮捕しなかったりする。

ダラダラ観るのに最高の映画だし、観終わったあとに呆然とすることもないのでとても安全だ。「これぞアメリカの娯楽映画!ピザとコーラを添えてソファーに寝そべって御覧ください!」という注意書きを冒頭に入れてもいい。深夜に目が覚めて、なんとなくテレビをつけた時にこの映画が放送されていたとしたら、見ながら寝落ちするのにもちょうど良い。

FBI役のジェニファー・ロペスには終始「あんた仕事しろよ」と思っていたけど、ジョージ・クルーニーを追ってやってきたホテルでナンパしてきた広告屋を全員振ったシーンはカッコよかった。でもその後にやってきたジョージ・クルーニーと速攻で良い雰囲気になってたから、「結局惚れてるやないか!手をつなぐ前に手錠かけろよ!」と思った。そういう楽しみ方をしてしまうから無粋なままなのかも知れない。

映画に哲学とか教訓とか求める人もいれば、なんとなく時間を潰すための映画を求める人もいる。でもアメリカの映画は全体的にアメリカっぽいな!と思ってしまう。でも日本で同じ映画を撮ったら芸能人の個性をゴリゴリ押してきて何が何やらわからなくなるし、イギリスで撮ったらすごいクドい映画になるか、意味のわからない箇所に注力したりしてくるだろう。中国映画だったらビール瓶で頭を割るシーンが絶対入ってくる。そういう意味ではアメリカ映画は自分にできることをちゃんとわかってるから立派だ。

映画『アウト・オブ・サイト』