日本には四季があるのとおなじく、本土四極というものがある。ようは本土の端のことだ。
北は北海道稚内市の宗谷岬、東は北海道根室市の納沙布岬、南は鹿児島県南大隅町の佐多岬、そして西は長崎県佐世保市の神崎鼻がそれぞれの”極”を担っている。だから何だという話だが、バイクに乗っていると必然的に馬鹿になるので岬とか端とか聞くと「行かなきゃ!」という気持ちになる。だって馬鹿だから。
だから行きます、九州。あとひとりになりたいんで。
CBR400Rはスクリーンに行き先札を入れられるメリットを本紙はこれまでお伝えしてきたが、今回も無事さんふらわあの大分行き札を入れることができた。なお新造船の別府便はメンテナンスのためお休み。ポートアイランドから乗るのも楽しいね。
乗船直後の3甲板、旅族のバイクおぢが集結しているぞ。
フェリーの過ごし方は人それぞれだけれど、初手はやっぱりお風呂がオススメ。一番風呂は良いもんです。それに初手風呂勢は自分を含めて食事前だから回転が早い。コスメバッグを抱えたトラック野郎と一緒に入る風呂はたまらねえぜ。
フェリーごはんの中で一番好きなさんふらわあのバイキング。
まんが日本昔ばなし盛りのご飯と並んでいる全種類のおかずを頂いて昇天…ドカ食い気絶…?知らないなあ…この後にカレーとデザートも食べます。食とエンタメが唯一両立するのがフェリーのバイキングだ。
いつものプライベートベッド。消灯後は少しカーテンを開けると息苦しさも和らぐぞ。そもそも気絶してるから気にならないぞ。
翌朝、ツーリング1日目。
接近していた台風と入れ替わるように九州に上陸すると居残った雨雲が小雨を振りまいている。前日に白米1.5合とおかず3皿を食べてたくせに胃袋が「朝食食べなきゃ力が出ないよ!」と教えてくれたので大分市内の「資さんうどん」に行く。バイクは胃袋も馬鹿にしてしまう。
肉ごぼ天うどん760円。
甘めのつゆに歯ごたえのあるごぼ天と肉がよく絡む。そしてやわらかめの麺で食べやすさも抜群。ちなみに九州ローカルだった「資さんうどん」も関西進出を果たして大阪や尼崎で食べることができる。だからどうした。俺は九州で「資さんうどん」が食べたかったんだ。
よし最西端の佐世保に向かおう。大分から九州を横断して佐世保に向かうわけだから、当然のように熊本の阿蘇も経由して贅沢に向かおうじゃないか。九州をツーリングするんだ、阿蘇に行かない手はないよ!
ダメです。雨が止みません。
湯布院も長者原も大観望も雨で何も見えないのであきらめて熊本から高速に乗って佐世保に向かいます。熊本インター手前でヒライのお弁当を買ってパーキングで食べるまで無心で走ってました。ちくわにポテトサラダを詰めて揚げた「ちくわサラダ」が美味しい。
なんやかんやあって本土最西端到達!
フナムシが見えて即逃げたので滞在時間は10分。京都を出発して30時間かけて来た結果がこれです。宗谷岬や佐多岬より満足度は低いかもしれない、何ならモニュメントの向かいの島は橋でつながってる。じゃあここは何の端なんだ…?
とにかくやることはやったので佐世保港が見える弓張岳展望台へ行く。
遠くにも入り組んだ海岸線が見えてとても良い眺めだ。
でかい船がいっぱいだ!かっこいい!
ぼくは船に詳しいんだ!あれは戦艦と空母だ!
あれは空母じゃない!強襲揚陸艦だ!それと桟橋は日米共用なんだね。
まあまあいい時間になってきたので宿を取った長崎市に向かいます。高速乗り放題に申し込んでるから今回は惜しまずに高速移動だ。しかし到着は日没後の予定。なので夜景がすごいと聞いた稲佐山展望台に登る。長崎は佐世保より起伏が激しくてカブだったら2速でさえ危ないかもしれない。でも展望台の目の前までバイクで登れるのはめちゃくちゃ楽だ。
わぁーこいつはすげえや
世界新三大夜景の1つが長崎らしい。インバウンドとカップルと家族連れがいっぱいだ。こういう時「誰が決めてんだよ、残り2か所どこだよ」と斜に構える態度と「バリ映えてて草」と褒める素直な態度が同時に出ちゃうよ。でもこの景色が見られるならみんな来るし写真も撮るわ。
その後長崎市内のファーストキャビンに泊まって西九州塗りつぶしツーリング1日目が終了。バイクの置ける宿を探すのが手間だったけどファーストキャビンははす向かいに大型も置けるバイク置き場があるし周りは飲み屋街だしすじポンは山盛りだし超オススメ。
バイクの写真これしか撮ってねえ!それでもこれで十分カッコいいぞ!
西九州の塗りつぶしは終わったが、ツーリングはまだ終わらないぞ。なにせ家に帰りたくないからな。
<つづき>