<まえ>
日曜日の高知は朝市があるらしく、珍しく早起きしてホテルのロビーに集合した。あるものは”ざる”を買い、またある者は芋を買っていた。僕は前日買った芋けんぴと芋チップスがバッグを圧迫していたので特に何も買わず、それからひろめ市場で朝食を食べた。ひろめ市場のカツオも美味いが、我々は多田水産のカツオを知ってしまった。あの味を知ってしまってはもう並大抵のカツオでは満足できないかもしれない。

奥の建物が氷室冴子先生「海がきこえる」の舞台、高知追手前高校だ。

向かいの図書館では図書委員の推薦図書が並んでいた。画風がみんな違っていいね。
10時、ホテルをチェックアウトして高知駅に送ってもらう。
我「じゃあ沖縄行くし先帰るわ」
彼らは室戸岬を経由して大阪に戻るらしいが、僕は予定があるので一足先に高速バスで大阪に戻り、関空から沖縄に向かう。これから沖縄一人旅に出かけるのだ。
なぜ高知空港から沖縄に向かわないのか。そもそも沖縄旅行が先に決まっていて、この高知旅行を後からねじ込んだからだ。それに高知から沖縄への直行便もないし、無理やり大阪に戻る方が安上がりなのだ。この日は朝から晩まで移動である。気絶して乗り切るしかない。
からあげとピーキーなコルトを見送り。コンビニで水を買って高速バスに乗り込む。そしてカーテンを全て閉め椅子を倒す。往路ではあんなにアクセルを踏んでいたのに、高速バスの運転はなんと穏やかで快適なことか。あっという間に気を失い目が覚めたらバスは淡路島のパーキングエリアに止まるところだった。

昼の高速バスには夜行バスにはない安心感があって良い。
そこから高知で買った芋チップスをぼりぼり食べながら関空までのルートや飛行機の乗り方を調べる。飛行機の写真は撮るのに飛行機に乗った経験が片手で数えるぐらいしかない。機内に持ち込んではいけないもの、逆に預けてはいけないものがそれぞれあるらしい。きちんと調べたがやはり怖いものは怖い。しかし芋チップスはうまい。食物繊維もたっぷり。
もしピトー管が凍結していたらどうしよう。燃料の単位をリットルとガロンで取り違えていたらどうしよう。パイロットと航空会社との関係が悪かったらどうしよう。そうしてメーデーに思いを馳せるうちに難波のバスターミナルに到着したので関空行きのリムジンバスに乗り換える。おお外国語が聞こえる。そういえば高知ではあんまり外国語を聞かなかった気がする。この時点ですでに16時だけど疲れはない。公共交通機関って楽だね。
17時ごろ関空に到着。しかし飛行機は20時発。滞在時間をそれなりに確保していたのは空港自体行くことが稀なのでうろうろしたり寝たり写真を撮ったりするのは目に見えていたからだ。
飛行機なんもわからん pic.twitter.com/vnML31Xmqs
— たにー (@tannymotors) August 24, 2025
暇すぎてずーっと自動運転車椅子乗ってる pic.twitter.com/O4BcmiBXlb
— たにー (@tannymotors) August 24, 2025
めちゃくちゃ楽しいぞ関空。それにめちゃくちゃきれいだ。常にどこかが掃除されているし、清掃状態を利用者が評価するボタンがあちこちに設置されていてDXを感じる。気分はターミナルのトム・ハンクスである。カートを返却して100円稼ぎたい。

空港は住める。
ちなみにこの前日、つまり私が四万十川に落ち、海洋堂ミュージアムの涼宮ハルヒの前で膝を折ったあの日、沖縄県の高校が甲子園で優勝した。そして今日はその翌日の日曜日。出発時刻が近づくとロビーは延泊したであろう沖縄県民でいっぱいになった。子どもたちはUSJのグッズを抱え、親たちは土産話に花を咲かせている。そして私が乗る飛行機はもちろん満席である。えらいタイミングで沖縄行きを入れてしまったものだ。
久しぶりに乗る飛行機はやはり緊張する。航空管制の手順もジェットエンジンの構造も知ってはいるけれど、それでも怖いものは怖い。特に離陸時のGが怖い。隣の子どもに気取られないようにじっと耐える。機内サービスのドリンクは間違えてアイスコーヒーをもらってしまった。寝たかったのに完璧に間違えた。

なんでこんなに真っ暗にしたんですか?夜行バスですか?
那覇空港には22時頃到着。空港近くの宿にチェックインしてこの日は終了。旅行で知らない街を訪れるときはいつも決まって夜だ。そして翌朝になってようやくその街の姿を目にしたときの静かな感動は代えがたいものがある。ただこの日の移動距離は1500km。もう2度とこんな真似はしないぞ。

おい、カワウソ、しゃしゃり出るんじゃないよ。
<つづき>