imaiさんが「サマーフィルムにのって」を褒めていたので見てきた。下調べを一切せずに映画を見るのはいつだってドキドキする。しかも高校青春物だ。下手すると心に傷を負う恐れだってある。でもimaiさんが推してるなら見るしかない。
「サマーフィルムにのって」は時代劇オタの女子高生達が友達や未来人を捕まえて映画を撮る話である。
クライマックスで「あー!なるほどー!」と大きな納得をして映画は終わった。そして1週間後にもう1度見て、再度「なるほどー!」と納得しながら家路についた。
何を納得したのか。それは「すごく演劇的な映画だな」と思いながら見ていたら、脚本がバリバリの演劇畑の人だったからだ。なんならキャストにもその劇団のメンバーがいた。演劇畑の役者さんはハキハキ喋るから大変分かりやすい。
では演劇的とは何か。それは「物語の分かりやすさ」ではないか。
例えば映画は観客の見方を誘導することができる。殺陣のシーンなら侍の目や柄を握る手をクローズアップして写したり、逆に全景を写して囲まれている様子を写したりできるし、レンズを変えれば視野を広げたり狭めたりもできる。映像ならこんな風に見せ方の演出ができる。
ところが演劇の場合観客は舞台上のどこを見るのも自由だから、物語を見せるためには明確なセリフや役者の動きが必要になる。睨みを利かせるなら眼だけでなく体全体を動かさなければならないし、その場に立ち尽くすのではなく身振り手振りを交えて喋らなければ観客の注目を集めることができない。
演劇が不便であるようにも見えるけれど、今回のように演劇的な映画になると「物語の分かりやすさ」が際立つし、単純に見ていて楽しい。ぼんやり見ようがしっかり見ようが物語に引き込まれてしまう。そしてラストシーンで見事に切り捨てられて、「うおー!」と唸りながらブログを書くことになる。見ているときは「このカットとかセリフいるんか?」と思う所もあったのに、「演劇として見るなら必要だった...」と最後にまた納得してしまった。逆に純粋な映画として見るときにこの脚本や演出に違和感を感じたりする人もいるんかしら。
1000字弱感想文を書いたけれど、別に解釈しながら見なくてもめちゃくちゃ楽しい映画なのでさっさと見るのだ。わしはブルーハワイ役の祷キララが超好き。あと役名がみんな無茶苦茶なのも最高。
あ!!!!!祷キララって2年前にヨーロッパ企画の本公演で見てる!!!!!!
脚本家さんの所属劇団。関西に来たら見に行くぞ。